C6 DWR
152g (Size S)
161g (Size M)
169g (Size L)
183g (Size XL)
はじめに
素早く換気できる全天候型行動着
汗ばむハイクアップも、風の吹き抜ける稜線も、もちろん降りしきる雨の日も。UL All-weatherシリーズは全ての天候下で使える全天候型行動着だ。
超薄手のパーテックス・シールドエアにより従来の通気系防水透湿シェルに比べ大幅な軽量化と通気性を実現し、その圧倒的なヌケの良さはもはや「完全防水ウインドシェル」といえるレベルに到達。
シリーズ中でも、本体を収納できる胸ポケットと上下に開閉するダブルジップを採用したUL All-weather Jacketは、高負荷の行動中も素早く換気が可能。さらにアームホールに設けたスナップボタンを開け閉めすることで、暑い時は素早く袖を捲り上げたり、寒い時はサムホールとして使用したりと、より広い温度域に対応できる。
制作ノート
オモロイ道具できたぞ!
このUL All-weather を従来のレインウェアと同じように考えてはいけない。
新しい製品カテゴリー、新しい道具が生まれたと考えたほうがいい。
なぜなら、使い方を誤ると危険だからだ。
けれどそれは、この道具が危険ということとは少し違う。
Hideki Toyoshima, wearing the Black color.
適切に使えばこれまでにない開放感と自由さを得られるはずだし、この道具が生まれたことによって、道具選びもさらに楽しくなるだろう。
UL All-weatherシリーズに使われている素材、パーテックス・シールドエアとの出会いは3年ほど前になる。その頃、僕たちは『山と道ラボ』でレインウェアの研究をおこなっていた。僕たちの研究成果に関心をもったパーテックスから連絡をいただき、まだ世界に正式に発表される前に特別にパーテックス・シールドエアの情報とサンプル生地を提供してもらった。
当初、僕はパーテックス・シールドエアで、同じ通気系の防水透湿素材であるネオシェルよりもさらに軽量でより通気する新しいレインウェアが作れる、ぐらいに考えていた。
しかし、その考えは間違っていた。8月終わりの北海道の大雪山で悪天候の中フィールドテストをしてみて、従来の「レインウェア」とあえて区別しなくてはいけない、凶暴な素材だと分かった。
北海道の大雪山の稜線は木々もなく、風が吹いても逃げる場所がない。強風と小雨が吹きつけるなか、パーテックス・シールドエアで作った試作サンプルを着て行動していると、蒸れずにずっと快適に行動し続けられることに喜ぶ反面、休憩時など身体の動きを止めると、身体の熱がすぐに外に換気されて衣服内が暖かくならない。
本来であればレインウェアは風を防ぎ、行動する体の熱を衣服内に残し、身体を守ってくれる存在でもあったはずだ。でもこのウェアは違う。「どこまでも動き続けろ!」と言わんばかりに、抜群のヌケの良さがある反面、身体の熱がこもりにくいがゆえに停滞時に衣服内を保温してくれない。悪天候時に身体を守る目的でこれ一枚を羽織っても暖かくはなりにくいのだ。
正直悩んだ。これは使い方を誤ると危険だぞ。
でも、行動着がレインウェアになったらいいのにと、僕は長い年月望んできた。少しでもヌケが良くなればいい。ヌケの悪い素材はダメだろうぐらいに思っていた。でもそうではなかった。抜群に通気して、熱がこもらず、抜けが良いということは、悪天候時の保温性が低くなることに繋がり、逆に保温性の高いレインウェアは、熱がこもりやすく、行動時に蒸れやすい。
僕はこのずっと求めてきた道具を形にしていくことに喜びと少しばかりの恐怖を感じるのと同時に、UL Rain シリーズに使っているパーテックス・シールドプロの保温性、透湿性のバランスの良さを実感したり、ゴアテックスに代表される保温性の高いプロダクトやその他の通気性素材、透湿防水素材をあらためてリスペクトしたりした。
でも、この製品を出そうと思ったのは、長年求めてきた答えが遂に形になった興奮と、少々危険すら感じるこの素材からできる道具に心から「面白い!」と思えるからだ。
「あなたは山の世界に何を求めるのか?」
この道具は山との向き合い方をはっきりと突き詰める道具でもある。
「どこまでもずっと動き続けていたい。」
「山の中にゆっくりと滞在したい。」
その目的によって、選ぶべき道具は異なるかもしれない。このウェアはアクティブなハイカーや山のミニマリストが長年求めていた道具であることは間違いがないのだが、同時に、山で行動し続けることを求めていない人に対しては牙を剥く道具になるかもしれない。
最後に、今よりももっと軽い素材で作ることもできたけど、あえて「All -weather」という名称を使うのだから、ある程度の耐久性と強度、生地のハリ感を大事にしたくて、表生地、裏地の組み合わせにもこだわったんだよ。超音波溶着も進化した。ぱっと見、「UL Rainシリーズと何が変わったの?」と思うかもしれないけど、別ものだから。オモロイ道具できたから、山でいっぱい使ってね! (2021年6月)
機能とデザイン
全天候型行動着=新しい製品カテゴリー
従来のレインウェアに比べ圧倒的な通気性を実現したUL All-weather Jacketは、雨天時のレインプロテクションの範疇を超え、晴天時にも積極的に着用できる「全天候型行動着」とも呼べる新たな製品カテゴリーへと進化しました。
通常のレインウェアでは熱がこもるようなハイクアップやランニング時も優れた通気性能がウェア内を常に換気して熱を放出し、一方で突然の雨に遭遇しても、10,000mmの耐水圧性能が濡れから身体を守ります。
一般的な登山用レインウェアとの比較
下図はUL All-weatherシリーズと一般的な登山用レインウェア(ゴアテックス等の透湿防水メンブレンを使用した重量200g~300gの製品を想定)との比較です。
一般的なレインウェアは保温性に優れるものの通気性に欠け、熱気がこもりがちですが、UL All-weatherシリーズは軽量かつ高い通気性を備えており、負荷の高いアクティビティでも熱がこもりません。ただ、その高い通気性の反面UL All-weatherシリーズは強風下などで寒さを感じる場合もあり、また防水性能の指針となる耐水圧も10,000mlと一般的なレインウェアに比べては低いため、使用時には適切なレイヤリングを行う必要があります。
圧倒的な通気性能
ナノファイバー構造を持つパーテックス・シールドエアは、他の防水透湿素材のように透湿のみではなく、実際に通気します。そしてこの通気するという性質が抜群の「ヌケ感」を作り出しています。
検査機器を使い、山と道UL Rain Hoody (PU Shinsui)に使用しているパーテックス・シールドとUL All-weatherシリーズのパーテックス・シールドエアの通気性の違いをテストしました。
検査機器に各生地をセットして上部に水を入れ、下部は空気が入った状態で実験を開始します。下部にポンプで空気を送り込むと生地を空気が通過して水側に気泡が生じますが、通過した空気量が多いほど気泡の量が多くなります。通気性の無いパーテックス・シールドは気泡が生じませんがパーテックス・シールドエアには多くの気泡が生じ、通気性の高さがわかります。
ビッグポケット
行動食や地図など行動中に必要なものを入れられるよう、スターナムストラップに干渉しない位置に大型のポケットを配置しました。
パッカブル仕様
パッカブル仕様で本体を左胸の大型ポケットに収納できます。
換気しやすいダブルジップ
上からも下からも開閉が可能で衣類内の湿気を素早く換気できるダブルジップは、汗ばむようなハイクアップ後に強風下の稜線に出るような、刻々と変わる山の状況下でも常に快適に行動できます。
さらに進化した超音波溶着技術
防水シェルの縫製箇所は裏からシームテープを貼ることで縫い目からの浸水を防いでいますが、シームテープは耐久性が低く、経年劣化による縫製箇所からの浸水は避けられません。
そこで、UL All-weather Jacketの縫製には超音波振動による熱で生地を溶かして溶着する最新の技術を採用しています。超音波溶着は針穴があかないため生地へのダメージも少なく、経年劣化による接合部分からの浸水をできる限り少なくすることができます。
超音波溶着が可能な職人や工場は非常に少ないのですが、山と道が提携している秋田県の縫製工場ではより良い製品作りのため、積極的に新技術の研究開発を行っています。
その結果、新たに生地を重ねて溶着できるようになり、前身モデルのUL Rainシリーズよりもさらに耐久性、強度、防水性が向上しました。
各部のディティール
フードはストレスなく首を動かせるようデザインしました。ツバには厚手の芯を入れて雨水が落ちるようにしています。
超音波溶着が独特な溶着跡を作っています。
手首のスナップボタンを外すことでスピーディに袖を捲り上げることができます。
スナップボタンをとめ穴に親指を通すことで、簡易的なサムホールとしても利用できます。
裾は脇のコードロックでフィット感を調整可能です。
上からも下からも開閉が可能なダブルジップにはマットな質感のYKK3番の止水ビスロンを採用しました。
フードの調整方法
フード生地の内側にあるコードロックを押して解放し、フード下のコードを引いて調整してください。
UL All-weatherシリーズのラインナップ
UL All-weatherシリーズにはダブルジッパー付きのJacketの他、ジッパーレスで超軽量なHoody、そのロング丈のLong Hoody、ポケットとダブルジッパーの付いたロング丈でパッカブル仕様のCoat、そしてPantsと5種類のラインナップがあります。それぞれの特徴やおすすめのアクティビティについて下記にまとめましたのでご参照ください。
弱点と使用上の注意点
撥水性の持続力の低さ
撥水の持続性能は、生地が厚いほど撥水剤の浸透する量が多くなり、高くなると言われていますが、UL All-weatherシリーズは軽量性と通気性を重視するために、できるかぎり薄い通気性の高い表地を採用しています。そのため、出荷段階で撥水性能は十分に持たせてありますが、撥水持続性能は厚手の透湿防水素材と比べて低くなっています。
撥水機能が効いているうちは生地表面に付着した水分は水滴になって落ちますが、弱まると水膜のように生地表面を覆い透湿性能を損ない、ウェア内部が蒸れたり結露によって濡れたりする場合があります。
撥水性が低下したと感じたら、洗濯後に乾燥機やドライヤーなどで熱を加えることで撥水性を復活させることができます。それでも撥水性が回復しない場合は、市販の撥水剤による撥水ケアを行ってください。
停滞時の注意点とレイヤリング
多くのレインウェアは衣服内が蒸れることで一定の保温性を発揮しますが、UL All-weatherシリーズは圧倒的に優れた通気性能を持つ反面、体が発する熱も常にウェア外に換気されてしまうため、単体ではウインドシェルなみの保温効果しか望めません。停滞時、保温に重点を置きたい際にはレイヤリングの工夫が必要になることをご留意ください。
そこで、『山と道ラボレインウェア特別編 全天候型行動着の誕生 #3 特別鼎談・土屋智哉 x 桑原慶 x 山と道ラボ』にもご協力いただいた土屋智哉さん(ハイカーズデポ)、桑原慶さん(Run boys! Run girls!)と山と道ラボ(夏目彰、渡部隆宏)それぞれのレイヤリング提案をご紹介します。
土屋智哉さん(Hiker's Depot)のレイヤリング
+シルポンチョ(Trail Bum Gnu Cape)
ULハイカー定番のシルナイロン製ポンチョを雨具としてではなく防寒着として着用するアイデア。雨具+雨具という一見大胆な組み合わせも、All-weatherの高通気性による保温効果不足を軽量なポンチョで補う合理的なレイヤリングです。
+化繊インサレーション(Trail Bum Boaster Jacket)
停滞時、化繊インサレーションをビレージャケットのように羽織ってしまうアイデア。化繊綿なら少々濡れても保温性を失わず、コールドスポットが少なく防風性も十分です。
桑原慶さん(Run boys! Run girls!)のレイヤリング
+ファーストレイヤー(Onyone Breath Tech PP)
ランニングではストップ&ゴーの落差が激しく、運動時にかいた汗で停滞時体温が下がりがち。ベースレイヤーの下に疎水性のファーストレイヤーを着用し、肌表面の汗の付着を抑えることで汗冷えを防ぐことができます。
+軽量インサレーション(The North Face Ventrix Trail Jacket)
「トレランザックに入るもの」という縛りでレイヤリングを考えていただいた桑原さん。通気性のよいAll-weatherには、停滞時やラン後の移動時に体を保温するウェアがマストと考え、ウインドシェルに薄い中綿を張り合わせた150gのトレラン用軽量インサレーションをチョイス。
夏目彰(山と道)のレイヤリング
+アクティブインサレーション(山と道Alpha Vest)
代表の夏目はAlpha Vestとレイヤリング。通気性の高いAll-weatherと同じく通気性の高いアクティブインサレーションは相性抜群です。
+サバイバルシート(SOL Survival Blanket)
グラウンドシートとして携行するサバイバルシートをブランケットとして羽織るのは、ひとつのアイテムでふたつの役目をこなす=軽量化するULハイキングらしいアイデア。サバイバルシートは超軽量かつ保温性も意外なほど高いです。
渡部隆宏(山と道ラボ)のレイヤリング
+アームカバー(C3 Fit Inspiration Arm Sleeves)
自身もハードな山行を好むランナーの渡部。ショートスリーブの上に重ねる場合、いくら通気性の高いAll-weatherであっても素肌に直接あたる腕部分は汗のはり付きによる不快感や冷えがありますが、アームカバーをつけることでかなり解消されます。
+メリノ&腹巻(山と道Alpha Haramaki & 100% Merino Hoody)
夜間や悪天候時にはインナーに吸湿性の高い山と道100% Merino Hoodyを着用し、腹部には通気性の高いポーラテック・アルファダイレクトを使用した山と道Alpha Haramakiを組み合わせることで、ヒートアップを防ぎつつ汗や冷えに対応できます。
レビュー
試作品のUL All-weatherシリーズを日本各地の山と道HLCアンバサダーの皆さんに2020年の秋から2021年の春にかけてテストをしてもらいました。皆さん抜群の通気性を感じたようですが、反面、使い方に工夫も必要だと感じたようです。
ジッパー付きでも十分軽量コンパクト性が感じられ、高い通気性からほとんどのシーンでかなり快適に行動することができた。行動開始から暑さを感じるまでに時間があるし、暑くなったとしても我慢できるレベル。
それゆえ寒い環境下では物足りなさを感じることもあったが、山行スタイルに応じて保温性のあるミドラーをチョイスしたり、薄くてもメリノウールとの重ね技などで工夫すれば問題はないと感じた。
いずれにせよ、アウトドア業界的にも先鋭的な発表であり、新たな時代の到来を告げるプロダクトになるだろう。
山と道HLC四国アンバサダー / 『T-mountain』代表
四国・松山城の麓で山道具屋『T-mountain』を営む。山は歩く、走る、攀じる、滑る、どれも好き。20代から日本の主要な山はもちろん、海外の山へも出かけてきた。近年は、自分の生活に密着した里山や決して特別ではない近くにある山々の魅力に深く心をくすぐられている。四国の素晴らしい自然を世界へ発信するため、日々あちこちでソトアソビ実践中。三人の愛娘といつまでラブラブできるか悩み中。
11月のみちのく潮風トレイル(最高気温11°C 最低気温0°C )や1月の東根山でのスノーハイク(最高気温2°C 最低気温-8°C )など、北東北エリアの晩秋〜冬〜春山で使用しました。
通気性の良さを非常に感じ、それまでパーテックス・シールドプロ(UL Rain Hoody PU Sosui)で使用していたベースレイヤーを多少変更し、はじめの1〜2回は手探り状態でしたがすぐにバランスをつかめ、それからは脱ぎ着がこれまで使用してきたシェルの中でも圧倒的に減りました。
どの山ギアもそうですが、尖った機能にはリスクもあるので、低山の日帰りハイキングなどでテストしてから使用すると付き合い方がわかるなと思います。そのぐらいAll-Weatherの通気性は凄いことになってます!!!!!
山と道HLC東北アンバサダー / 『knotty』代表
1976年生まれ。岩手県盛岡市出身紫波町在住。10代の頃 ニューヨークに渡りダンスとブラックカルチャーにどっぷりはまる。帰国後 幼い頃に父親と登山やスキーをしていた事を思い出し山へ行ってみる。山の奥深さに魅力され石井スポーツで働きだす。登山、バッグカントリースキー。クライミング、マウンテンランニング、沢登とオールシーズン自然を楽しむ。安全で楽しい山遊びを伝えていきたいと思い、岩手県紫波町にアウトドアショップ『knotty』を立ち上げる。「自然」「山」「人」とのGROOVE感を求め日々精進中。
冬期のバックカントリースキーのハイクアップ時やランニング時、春スキーに毎回使用しています。
初めて羽織った時の軽さと動きやすさ、風通しにはとても驚きました。以前はUL Rain Jacketを着用しており、雨天時にはまだ使用できてないのでその比較はできませんが、汗のかき方や運動時の蒸れが全然違いました。
北海道のような氷点下では汗との付き合い方がすごくシビアです。通気性をすごく感じることができるので、動いている時は快適でしたが動きはじめや停滞、滑走の時は寒さを感じました。しかし、その通気性のある生地の特徴からなのかシェルによる熱の閉じ込めを感じないので、UL All-weather Jacketの上にダウンやハードシェルを着用しても、暖かさはしっかり感じられました。
体をしっかり動かす時にはちょうど良く、寒くなっても重ねられる。軽くストレスが少ないので行動時に脱ぐことはありません。真冬でもアクティブに動くシーンや、夏でも肌寒いことが多い北海道では1年通して愛用できると感じました。
山と道HLC北海道アンバサダー / 『SPROUT』『Camp&Go』代表
北国の生活に憧れ北海道のニセコに移住し、2009年にコーヒーショップ『SPROUT』を開業。2019年にはコーヒーとアウトドアとライフが楽しめる場所『Camp&Go』をオープン。現在はコーヒーを勉強しながらハイキングやスキー、カヤックとニセコの自然をアクティブに過ごしている。
少し汗ばむような気温でもムレを感じることなく行動できる。2°Cくらいまでならメリノウールのベースレイヤーとの組み合わせで問題なく行動することができた。
厳冬期の雪山で積極的に使用するのは難しいかもしれないが、道具の特性をしっかりと理解して自分に合ったレイヤリングや使い方を工夫すれば、もしかするとオールシーズンで行動着として使用ができるアイテムではないだろうか。今シーズン、スキーウェアとしても使ったけれど、スキー場で滑るくらいなら快適に楽しむことができた。
山と道HLC北関東アンバサダー / 『LUNETTES』スタッフ
20歳の頃に友人と登った那須岳での言葉にできない感覚に魅了され山に登り始める。那須のLUNETTESに通うなか、山と道のサコッシュを手にしたことでULカルチャーと出会う。同時に山道具も自作できることに気づき、自作のザックで山に行くことに楽しみを覚える。カメラメーカーを退職後『LUNETTES』のスタッフに。ハイクの他にフライフィッシングとテレマークスキーにも夢中。
透湿性で勝るウインドシェルはあるだろうけど、防水でここまでの透湿性能があり、軽量であるならば、もうウインドシェル単体で持ち歩くという概念は僕の中ではなくなりました。レースなど極限まで絞り込んだパッキングでいくトレイルランニングなどでも大活躍しそう。
ただ、雨風は凌げども、その薄さゆえ冷たい強風には体温を奪われるので、過酷な状況下での使用は注意すべき点となります。
山と道HLC関西アンバサダー / 『山道具 谷ノ木舎』店主
カメラを片手に放浪中、チベットやカラコルム、ラダック等の山岳民族の生活文化や、その圧倒的な風景に魅せられて、アウトドアカルチャーにハマっていく。旅の経験からアジアや中東各地の手仕事と結びついたアパレルメーカーを経営しつつ、2020年4月に山道具屋、『山道具 谷ノ木舎』をオープン。持ち前の機動力を活かして、ウルトラライトスタイルで野山を駆けめぐり、ハードリカーを飲みながら野営するのがいちばんの大好物。ニックネームは『きんにくん』。
1月から5月まで、北海道で毎日のようにスキーをしている。天候が落ち着く4月になると、All-weatherの出番となる。
厳冬期の吹雪の中では、薄い生地は吹き付ける吹雪に対して心許なく感じるが、春のスキーでは、ハイクアップ時だけでなく滑走時におけるアウターとして着用しても不安を感じない。春の雪はときに固く、テレマークスキーではよく転ぶ。何度転んでもAll-weatherは破れたりしていない。
無風時に外気温が10度を超えるような日のハイクアップ時にはさすがに脱ぎたくなるが、外気温が高くとも風があるような場合は、抜けがいいぶん、普段ならインナーを1枚脱ぎたくなるような時にも、ずっとそのまま行動することができる。
All-weatherにはない素材のしなやかさとストレッチする快適性において、ハイクアップ時にはティートンブロスのウインドリバーフーディを着用することが多いのだが、アウターとしてそのままスキーで斜面を降りるには不安を感じる。春スキーにおいては、これ1枚で済ませられるAll-weatherが快適だ。
山と道HLCプロジェクトディレクター
作品制作、空間構成、キュレーション、イベント企画などジャンル横断的な表現活動を行いつつ、現在はgm projectsのメンバーとして活動中。
山と道とは共同プロジェクトである『ハイクローグ』を制作し、九州の仲間と活動する『ハッピーハイカーズ』の発起人でもある。
ハイクのほか、テレマークスキーやクライミングにも夢中になっている。
ベジタリアンゆえ南インド料理にハマり、ミールス皿になるバナナの葉の栽培を趣味にしている。
妻と二人で福岡在住(あまりいませんが)。
山と道JOURNALSの関連記事
山と道ラボ特別編
防水ウインドシェル=全天候型行動服の誕生 #1〜3
UL All-weatherシリーズの登場を受け、JOURNALSの連載『山と道ラボ』でも全3回に渡る特集記事を作成しました。
パーテックス・シールドエアをはじめとした新素材の登場を受けた各防水透湿素材のテクノロジーの解剖や試験機関での実際の着用テスト、そしてハイカーズデポの土屋智哉さん、Run boys! Run girls!の桑原慶さんをお招きし、レインウェアシーンの現状についての鼎談を行うなど、UL All-weatherシリーズのみならず、現在のレインウェアシーンを理解するための絶好のテキストになっています。
レインウェアってなんだ?
山と道ではこれまでもレインウェアについて多くの情報発信をしてきましたが、様々な素材やテクノロジーで溢れる複雑怪奇なレインウェアの世界を説明しようとするとどうしても内容はマニアックになってしまっていました。
そこで、これまでお伝えしてきた情報をギュッと凝縮し、レインウェアについて必要最底限知っておいてほしい情報だけをまとめた記事を作りました。この記事が、皆さんのより良きレインウェア選びや付き合い方の一助になりますように!
素材
パーテックス・シールドエアについて
パーテックス・シールドエアは、既存のナノファイバーメンブレンからのさらなる耐水圧、洗濯耐性、量産クオリティの向上を目指して開発し、パーテックスが満を持して発表した新素材です。
ナノファイバーとは、水を弾く(疎水)性質の極細ポリウレタン(PU)糸を網状に編んだヘチマのたわしのような無数のすき間をもつ構造体で、他の防水透湿素材のように透湿のみではなく実際に通気します。そしてこの通気するという性質が、ナノファイバーメンブレンの抜群の「ヌケ感」を作り出しています。
パーテックス・シールドエアは生地重量50g/㎡から60g/㎡程度と従来のナノファイバー素材に比べて圧倒的に軽量ですが、さらに山と道では耐久性を保ちながらその通気性能を最大限に生かすために、15デニールのナイロン生地(40デニールのリップストップ)を表地に、7デニールのナイロン生地を裏地としたシールドエアを選択。その組み合わせにより、他のナノファイバーを使用した防水透湿シェルと比べて格段に軽く、高い通気性能を持ちます。
Pertex Shield Air
素材:ナイロン100%
表地:15D/5f + 40D/34f リップストップ
裏地:7Dトリコット
コーティング:C6 DWR(耐久性撥水)
生地重量:58g/m²
引裂強度(JIS L1096D):たて4kg よこ3kg
*切れ目のある試験片を引張り、引き裂かれるまでの荷重値
引張強度(JIS L1096A):たて42kg よこ31kg
*試験片を一定の速度で引張り、破断した最大値
通気性(JIS L1096A):0.4cc/㎠・s
*試験片に一定の圧力で空気を吸引した際の空気流量
透湿性(JIS L1099A-1):10000g/㎡/day
*カップ内の吸湿剤が試験片を通過して吸収した水蒸気量
耐水圧(JIS L1092B):10000mm以上
*試験片に水圧をかけ、水が漏れ出た時点の水圧値
サイズガイド
推奨サイズ
Size | XS | S | M | L | XL |
---|---|---|---|---|---|
体重(kg) | 42~53 | 51~61 | 59~69 | 67~78 | 76~85 |
胸囲(cm) | 78~84 | 80~88 | 84~95 | 92~102 | 100~110 |
製品サイズ
単位:cm
Size | XS | S | M | L | XL |
---|---|---|---|---|---|
着丈 | 69 | 74 | 76 | 78 | 80 |
身巾 | 56.5 | 56.5 | 58.5 | 61.5 | 67.5 |
裾巾 | 54 | 54 | 56 | 59 | 65 |
裄丈 | 83 | 86.5 | 88.5 | 92 | 95 |
袖口巾 | 9 | 9.5 | 10 | 10.5 | 11 |
着用イメージ
サポート
使用上のご注意
- 本製品は極薄の防水透湿生地による超軽量防水シェルです。岩の擦れ、木々の引っ掛け等による破損、破れにはご注意ください。
- 比較的温暖な環境下での行動時に快適に着用できることを意識して作られており、一般的な重量の防水シェルや冬季用のハードシェルに比べると保温性は劣ります。嵐のような悪天候時が予測される際にはインナーにメリノウールを着用するなど、過酷な環境下でのご使用には十分ご注意ください。
- 防水透湿性能を最大限に発揮させるために、着用後のケアが必要となります。メンブレンと生地表面の撥水加工、生地内側のレイヤーはそれぞれ汚れや汗、皮脂などが付着すると性能が損なわれます。洗濯表示に従いこまめに洗濯してください。
- 生地表面の撥水機能が損なわれると透湿効果も失われます。撥水性能の低下を感じたら、乾燥機での低温乾燥もしくはドライヤーを当てるなどして熱を加えて撥水性を復活させてください。ただし、洗濯を重ねることで初期撥水剤が落ちてしまい、熱を加えても撥水性が戻らなくなります。その際は市販の撥水剤を使用して定期的にケアしてください。
- 非常に軽量で薄い多孔質素材のため、ワセリンや防虫成分、エタノールが含まれている製品(ヘアクリーム、化粧品、日焼け止め、防虫剤等)が生地に付着することにより、シミが発生したり透湿機能が低下したりする可能性があります。その除去方法について、山と道JOURNALS『山と道修理部通信#2 レインウェアの油脂汚れをきれいにする』でご紹介しておりますのでご参照ください。
- 成分にディートの含まれた虫除け剤は防水透湿メンブレンや生地のコーティングを劣化させるため、本製品に付着させないでください。
製品ケアについて
- 洗濯は水温30℃以下の弱水流コースで行ってください。
- レインウェア専用洗剤もしくは漂白・柔軟・蛍光増白剤不使用の中性洗剤をご使用ください。
- 洗濯は単体かネットに入れて行なってください。
- 洗濯はファスナーを閉めて行ってください。
- ひどい汚れは水で薄めた洗剤を塗布して柔らかいスポンジで部分洗いしてください。表面の接ぎ目や裏面のシームテープは擦らないでください。
- 定期的に乾燥機の低温設定(上限60℃)で乾燥させて撥水性を復活させてください。
- 柔軟剤、漂白剤は使用しないでください。
- アイロンはスチームは使わず低温でかけてください。
- ドライクリーニングは行わないでください
- ワセリンや防虫成分、エタノールが含まれている製品(ヘアクリーム、化粧品、日焼け止め、防虫剤等)が生地に付着することにより、シミが発生したり透湿機能が低下したりする可能性があります。
SUPPORT「製品ケア」をご確認ください
さらに詳しい洗濯や乾燥方法、撥水ケアについては、SUPPORT「製品ケア」内、UL All-weather seriesのページで写真や動画を交えて紹介しています。正しくケアを行うことで製品の機能や性能をより長く保つことができます。ぜひ参考にしていただき、末長くご愛用いただければ幸いです。
お支払いについて
- お支払いはご注文時にお願いします。
- お支払いはクレジットカード、または銀行振込が利用できます。
- クレジットカードはVISA、MASTER、JCB、AMEXに対応しています。
- 銀行振込の場合は、注文確認メール到着後5日以内のご入金をお願いします。
- 銀行振込手数料はお客様のご負担となります。
- 領収書は製品発送時に送る発送完了メールに添付されたリンク先からダウンロードをお願いします。
発送について
- ご購入後に注文確認メールをお送りします。
- 決済確認後、3日以内に製品を発送します。
- 大型連休、災害、悪天候、ご注文の集中、ご注文の追加確認等により出荷、配送に遅延が発生する場合があります。
- 製品が発送された時点で発送完了メールをお送りします。
- 別々に注文した製品の同梱発送はできません。
当製品1点のみご購入の場合、配送料のお得な日本郵便の「ゆうパケット」が利用できます(沖縄県・離島を除く)。
送料:300円
- お届け先の荷物受け、郵便受け等に配達・投函します。
- 配達荷物に対する補償が付きません。
- 差出日の翌日ー翌々日以降にお届けします。
- 追跡サービスに対応します。
- 配送の日時指定には対応していません。
他製品を含む2点以上ご購入の場合は佐川急便で発送します(沖縄県、離島のお客様はヤマト運輸で発送します)。
送料:500円/950円(沖縄県)
サイズ交換について
ご購入後、製品のサイズが合わなかった場合は交換対応いたします。交換に際し以下の内容をご確認のうえ、SUPPORTページ内の「サイズ交換・不良品サポート」よりお申し込みください。
- 未使用品のみ交換いたします。試着程度は問題ございません。
- 交換は製品到着後5日以内に限ります。
- 製品を弊社で確認し、たばこや化粧品等の臭い、汚れ等が認められた場合は返品をお断りする場合がございます。
修理について
山と道ではすべての製品の修理を受け付けています。穴あきやパーツ補修、経年による劣化など、修理のご相談はSUPPORTページ「修理について」よりぜひお気軽にお寄せください。