52g (Size M)
59g (Size L)
はじめに
山で行動し続ける人のための腹巻
気温の下がる夕方から早朝、凍える秋から冬にかけて。Alpha Haramakiは、そんな厳しい環境でも歩いたり、走ったりをやめたくないハイカーやランナーのために作られた。
激しく走ったりハイクアップしても暑くなりすぎないよう、インサレーションには高い保温性と通気性を両立するポーラテック・アルファダイレクトを採用。さらにアルファダイレクトの優れた通気性を生かすため、表地には軽量で通気性に優れたシャドウリップを採用し、過度に熱をこもらせることなく、冷えにつながる強風をブロックする。
深刻な事態に繋がる腹や内臓の冷えから来る様々なトラブルを未然に防ぐ、行動し続ける人のための腹巻だ。
色移り防止のため使用前に洗濯を行ってください
未洗濯の濡れた状態で白や淡色の衣料と長時間密着することで色移りが発生する場合がありますが、ご使用前に洗濯*を行うことでその原因となる余分な染料を落とすことができます。
*洗濯は単体、もしくは同色系の衣料と行ってください。
制作ノート
山を行動する人の腹部を守る
2015年秋、装備を限界まで削った北アルプスでのファストパッキングで夜明けに雪がちらつく五竜岳を越えようとしたときのことだった。
体ごと吹き飛ばされそうな強風のなか、持っているものを全部着込んでも寒さは収まらず、僕は低体温症になりかけていた。このまま行動を続けては危険だと判断し、太陽が出るまでシュラフにくるまって寝ようとバックパックを開けたところで、Minimalist Padの存在に気がつきお腹に巻いたところ、すぐに暖かさを実感し、そのまま暗い五竜岳を越えて、太陽が出るまで行動し続けることができた。
この経験からお腹の保温の重要性を実感し、お腹を守る道具、衣類を作りたいと考え、Merino Hoody(旧製品名。2021年追記)やAlpha Anorakが生まれてきたのだけれど、それらと同時に構想しつつ、ようやく形になったのが、このAlpha Haramakiだ。
Illustration: Jerry Ukai
世の中には沢山の腹巻があるけれど、「山を行動する人のお腹を守る」というコンセプトの腹巻はこれまでなかったのではないだろうか。行動中も着脱しやすく、暖かく、でも蒸れずに行動し続けられる腹巻。
そのコンセプトを形にするために、インサレーションとシェル生地にはAlpha Anorakと同じポーラテック・アルファダイレクトと、通気性と防風性のバランスに優れたパーテックス・カンタムエア(現在ではさらに高通気で生地の引きつれが起きにくいシャドウリップに変更。2022年追記)の組み合わせを選択した。
「山で行動し続ける人のお腹を守る」というコンセプトがどこまで体現できるか、ハイキング中心の僕の山のスタイルではテストとして不十分だと感じ、昼夜を問わず行動するような長距離レースに出場する選手たちにテストをしてもらった。寒さに強い人のなかには暖かすぎると感じた人もいたが、寒さと疲れで胃腸がやられた経験のある人や、悪天候時にテストをした人は、このAlpha Haramakiの道具の機能性を実感してくれたようだ。
もうひとつ、Alpha Haramakiを作るにあたって考えていたことがある。これは僕自身の経験だけど、お腹が暖かいだけで、行動中に寒さを感じにくい。言い方を変えると、寒さを感じたとしても、お腹が暖かければあまり気にせず行動することができる。つまり、行動中の寒暖差によって服を脱ぎ着する煩わしさを減らすことができるのではないだろうか。
いつか日本のハイカーやランナーが、あのフーテンの寅さんやバカボンのパパのように、腹巻をして山を駆け巡るようになったら面白いな、と思っている。(2017年)
レビュー1
Hokkaido Yetiからのレポート
山と道は2017年にスイス・モンブラン周辺で開催された山岳耐久レース、Petite Trotte à Léon(通称PTL)に出場したチームHokkaido Yetiをサポートし、試作中だったAlpha Haramakiをはじめとした山と道製品をテストしていただきました。
ヨーロッパアルプス・モンブラン周辺で開催されている山岳耐久レースUltra-Trail Du Mont-Blanc(通称UTMB)には5つのカテゴリーがありますが、PTLはその中でももっとも過酷なレースです。2〜3名のチームで参加し(うち1名はUTMB完走者でなくてはならない)、月曜日の22:00にスタートして日曜日16:00までの138時間以内に距離約300kmを走ります。
5年以上の腹巻愛好家として、これまで結構な種類の腹巻を試してきましたが、着脱のしやすさ、保温力、防風性、型崩れのしにくさ、どれをとってもとてもよく、お勧めしたい商品に仕上がっていると思います。PTLでは2日目の夕方以降、胃腸の調子が悪くなり、ライフベースでシャワー時に外す以外はずっと着用し続けました。行動時の着用では腹部に関してはMerino Hoody(旧製品名。2021年追記)以上の保温力と防風性があり、ザックを背負っていても着用を忘れるくらいのフィット感で、発汗後もかぶれ・肌荒れを起こすこともなく、ゴールまで着用できました。
PTL2017選手 / トレイルランナー
走れる山ヤ&山スキーヤー/会社員。登山と山スキーを中心に活動している最中にトレイルランに出会い、走ることにも楽しみを見出す。 長距離縦走や山旅の手段としてULハイクやトレイルランを積極的に取り入れ活動中。 超長距離の山岳耐久レースやウルトラマラソンにも出場し、TJAR2014、PTL2015、TJAR2016、PTL2017と完走。
2日目以降の就寝時(1日目はドロップバッグに入れてしまったため未使用)及び3日目以降の夜間~日が出るまでの行動時に使用。これひとつで体感温度が随分違うものだなと。これまで長距離レースでは胃腸のトラブルに悩まされており、いかに身体を冷やさないかがテーマでしたが、今回PTLではノートラブルで、腹部の保温の大切さと腹巻の効果を身をもって実感しました。Merino Henry Neck T-Shirt(旧製品名。2021年追記)+Alpha Haramakiはすこぶる快適で、Merino Henley T-Shirtの緩い作りは好きなのですが、そのぶんお腹に風が入って冷やされるのが気になることもあり、それがAlpha Haramakiと併用することで解消されました。これまでの100マイルのレースでは他社の腹巻を使っていたのですが、ずり落ちてくるのをいちいち直すのがストレスで、いつの間にかただの重りになっていることがしばしばありました。Alpha Haramakiそのようなこともなく、シャツを替える時に腹巻をしていたのを思い出すくらい装着感もなく、ストレスフリーでした。
PTL2017選手 / トレイルランナー
職業は公務員。学生時代はサッカーと陸上(長距離)に取り組む。トレーニングで走った山の楽しさが忘れられず、10年のブランクの後、山を走るためにランニングを再開。以後100マイルを中心に国内外のレースに参戦しつつ、自分の足で辿り繋ぐ旅をテーマに山遊びを満喫中。
PTLでは初日から各就寝時には必ず着用し、4日目以降は夜の行動時にも使用しました。普段、腹巻きを使用しない私でしたが、腹部の保温の大切さを改めて実感しました。暖かさを感じるのはもちろんのこと、気持ちの安心感にもつながったと思います。ベルクロテープによる微調整ができ、締め付け感もなく、とても快適でした。今回のようなレースだけでなく、冬山の行動時にもカイロと併用して多く使用できるものと感じました。今後の山行には必ず持って行きたいし、周囲の方々にも勧めようと思います。
PTL2017選手 / トレイルランナー
職業は看護師。ボクシングのトレーニングのためにトレイルランニングを始めたことがきっかけで、山の魅力にどんどん惹かれていく。現在は長距離縦走登山、ULハイク、バックカントリー・スノーボード、スキーなどで活動している。
レビュー2
製品開発中は様々なランナーや山岳耐久レースの選手の皆さんに試作品をテストしていただきました。
オーバーナイトレースでは、夜間に身体は暑いがお腹は冷えるという現象が起き、お腹の冷えによる胃腸トラブルがリタイアを誘引する原因になっている。
Alpha Haramakiは汗抜けがとても良く、シャツか汗で滴っていても、腹巻きの内側はサラサラに乾いていて、常に体温より数度高い状態をキープ。あまり暑くなり過ぎないのがこの腹巻きの特徴で、体温の上下が激しいトレイルランの環境でも常に装着しておける。お腹は一度冷えてしまうと復活させるのが大変なので、陽が落ちる前に装着して冷やさないようにするのがより効果的だ。
KOUMI100マイルにて着用。32kmのコースを5周する過酷なレースなのですが、3周目で夜間パートに入り、長袖に着替えた際に付け忘れ、胃腸不良に陥ってしまいました。
気温はさほど低くなくても知らないうちに進んでいるのが汗冷えなので、大失敗。
5周目からはTシャツの上から着用したのですが、この方がズレも付け忘れもなく、確実ですね。
Alpha Haramakiは暖かいだけでなく、激しい上下運動からも胃腸の揺れを防ぎ、内臓を守ってくれることがすごくよくわかりました。
トレイルランナー
本業は輸入販売業SCM。子育てがひと段落後、友人の誘いでトレイルランニングを始め、現在は国内外問わず年に数回旅を楽しみながら100K以上の ロングレースに出場している。2017年はUTA100K(豪州)、UTMB100M、OSJ小海100M、フォルモサトレイル100K(台湾)に出場。
冷えない良さ、ウェアリングの調整のしやすさというのはもちろん、腹部を押さえることで、疲労で腹圧が下がった時にも支えてくれる、意識的になれるという意味でもありがたいなぁと感じています。
ベルクロで調整が効くので、行動中にズレない良さもさることながら、長時間の行動になればなるほど、疲れの抑制にも効いてくるなと思っています。ポケットは冷えると電圧が下がってしまうスマホなどにもちょうど良いサイズですし、トレイルバターなど冷えると硬くなる食料を入れておくのもお勧めです。
トレイルランナー
ユーザーインタフェースデザイナーとして家電や業務機器などのUIデザインに関わる。トレイルランニングなど山のアクティビティに傾倒し、ワラーチやゲイターやメトロノームアプリなど、アナログ/デジタル関わらずMYOGしている。センサーやカメラを用いたトレーニングや運動動作解析も行っている。
機能とデザイン
寒冷時の高負荷の行動に
Alpha Haramakiは強風下の稜線や雪山、早朝や深夜など、寒冷時の行動中に着用するために開発した腹巻です。インサレーション素材には優れた保温性がありながら高い通気性を持つポーラテック・アルファダイレクト(136g/m²)を使用し、高負荷の行動時も湿気を効果的に排出します。
大型のベルクロテープによる着脱は容易で、着用中のずれもほぼありません。
装着しにくい場合には、正面でベルクロをとめてから前後を入れ替えてください。
正面のポケットには行動食やカイロなどを入れておくことができます。
フロント下面が膨らんだ形状になっており、通常通り着用すると下腹を暖めます。
上下逆に着用すると上腹を効果的に保温できます。
保温性の比較
1000FPのダウンには敵いませんが、Alpha Haramakiに採用した136g/㎡とやや厚手のポーラテック・アルファダイレクトは数あるアクティブ・インサレーション素材の中でも高い保温力を誇ります。行動中だけでなく、停滞時の保温着としても積極利用が可能です。
【比較テスト】
1000FPのダウンと市場にある保温行動着に使用されているインサレーション素材の保温力を比較しました。
- 保温性はJIS L 1096 A法にもとづく山と道の独自検査結果。発熱体が温度を維持するために使ったエネルギー量から断熱性を測定する。最大値は100%。
- 生地重量はポーラテック、プリマロフトがメーカー公表値、その他は山と道実測値。1000FPダウンは7デニールのナイロン表地・裏地含む。
素材
抜群の通気性と保温性を両立するポーラテック・アルファダイレクト
毛足の長いフリースのような素材感です。
- 抜群の通気性と保温性の両立
- 優れた軽量性とコンパクトさ
- 抗菌防臭効果が半永続的に続くポリジン加工
- 洗濯が簡単なイージーケア
従来の天然ダウンや化繊ダウンは「蒸気を封じ込める=蒸れやすい」という素材的特徴がありましたが、行動時に積極的に着用することを目的として開発されたポーラテック・アルファダイレクトは、高負荷の運動時も湿気を外に放出する通気性と保温性のバランスを高次元で実現しています。
また、素材そのものに低濃度の銀イオンが微生物やバクテリアの繁殖を安全に抑制するポリジン加工が施されているため、通常の衣服の寿命を遥かに超える抗菌防臭機能を持ちます。
Polartec Alpha Direct
素材:ポリエステル100%(リサイクルポリエステル63%)、bluesign®、OEKO-TEX®認証ファブリック
生地重量:136g/㎡
破裂強度(JIS L1096A):465kPa
ゴム膜を生地にあてて膨ませ生地が破れたときの圧力の数値
保温性(JIS L1096A):58%
熱源に生地を乗せた際の熱源のエネルギー損失量
保温性(ASTM F1868):最小0.80clo 最大1.60clo
熱板の温度を一定に保つ電力から算定した保温力
軽量かつ強度・耐摩耗性に優れたシャドウリップ
急変する天候や激しい気温の寒暖差、突風や強烈な日差しなど、過酷な山の環境では、通気性と防風性という相反する特性を高い次元で両立することが求められます。テイジンのシャドウリップはこれらの条件を満たしつつ、軽さと強度を兼ね備えた素材です。
薄く軽い生地は、その強度を補うために太い糸を格子状に織り混むリップストップ(裂け留め)構造を採用することが一般的ですが、一方でリップストップ構造は表面に微細な凹凸が生じることから、生地の引きつれや摩耗への弱さが課題とされてきました。
シャドウリップは細い高強力糸を織り込むことで凹凸のないフラットな表面構造となっており、軽さと強度を維持しながら優れた引きつれ耐性や耐摩耗性を実現しました。ソフトな風合いによりシワがつきにくく、ピリング(毛玉)が発生しにくいことも特長です。
Shadow Rip™
素材:ポリエステル100%(30D、リサイクルポリエステル75%)
コーティング:C0 DWR(PFAS Free耐久性撥水)
生地重量:56g/㎡
引裂強度(JIS L1096D):たて2kg よこ2kg
切れ目のある試験片を引張り、引き裂かれるまでの荷重値
引張強度(JIS L1096A):たて48kg よこ43kg
試験片を一定の速度で引張り、破断した最大値
通気性(JIS L1096A):34cc/㎠・s
試験片に一定の圧力で空気を吸引した際の空気流量
サイズガイド
製品サイズ
単位:cm
Size | S | M | L |
---|---|---|---|
全長 | 68~81 | 79~92 | 90~103 |
幅 | 19 | 20 | 21 |
着用イメージ
Hide 178cm-68kg
Size M (Black)
Shiori 167cm-55kg
Size M (Terracotta 2022)
サポート
色移り防止のため使用前に洗濯を行ってください
本製品と白や淡色の衣料が未洗濯の濡れた状態で長時間密着することで色移りが発生する場合がありますが、使用前に洗濯*を行うことでその原因となる余分な染料を落とすことができます。
*洗濯は単体、もしくは同色系の衣料と行ってください。
製品ケアについて
- 洗濯は中性洗剤を使用し水温30℃以下で行ってください。
- 洗濯時はファスナーとベルクロテープをしめ、単体かネットに入れて行ってください。
- 柔軟剤、漂白剤は使用しないでください。
- 洗濯後は強く絞らず、乾燥は日陰で吊干ししてください。
- 乾燥機は使用しないでください。
- アイロンがけ、ドライクリーニングは行わないでください。
- 購入時に裏地の毛羽落ちが目立つ場合は一度洗濯を行ってください。
お支払いについて
- お支払いはご注文時にお願いします。
- お支払いはクレジットカード、または銀行振込が利用できます。
- クレジットカードはVISA、MASTER、JCB、AMEXに対応しています。
- 銀行振込の場合は、注文確認メール到着後5日以内のご入金をお願いします。
- 銀行振込手数料はお客様のご負担となります。
- 領収書は製品発送時に送る発送完了メールに添付されたリンク先からダウンロードをお願いします。
発送について
- ご購入後に注文確認メールをお送りします。
- 決済確認後、3日以内に製品を発送します。
- 大型連休、災害、悪天候、ご注文の集中、ご注文の追加確認等により出荷、配送に遅延が発生する場合があります。
- 製品が発送された時点で発送完了メールをお送りします。
- 別々に注文した製品の同梱発送はできません。
当製品1点のみご購入の場合、配送料のお得なヤマト運輸の「ネコポス」が利用できます(沖縄県・離島を除く)。
送料:250円
- お届け先の荷物受け、郵便受け等に配達・投函します。
- 配達荷物に対する補償が付きません。
- 差出日の翌日ー翌々日以降にお届けします。
- 追跡サービスに対応します。
- 配送の日時指定には対応していません。
他製品を含む2点以上ご購入の場合は佐川急便で発送します(沖縄県、離島のお客様はヤマト運輸で発送します)。
送料:500円/950円(沖縄県)
サイズ交換について
ご購入後、製品のサイズが合わなかった場合は交換対応いたします。交換に際し以下の内容をご確認のうえ、SUPPORTページ内の「サイズ交換・不良品サポート」よりお申し込みください。
- 未使用品のみ交換いたします。試着程度は問題ございません。
- 交換は製品到着後5日以内に限ります。
- 製品を弊社で確認し、たばこや化粧品等の臭い、汚れ等が認められた場合は返品をお断りする場合がございます。
修理について
山と道ではすべての製品の修理を受け付けています。穴あきやパーツ補修、経年による劣化など、修理のご相談はSUPPORTページ「修理について」よりぜひお気軽にお寄せください。