山と道では春夏秋の3シーズン用のボトムスとして、オリジンであるタフな5-Pocket Pants / Shorts、軽さや涼しさに特化したLight 5-Pocket Pants / Shorts、両者の中間的な性格を持つDW 5-Pocket Pants / Shortsと、それぞれ違う素材を使用した3種類の製品を展開しています。

それぞれに長所・短所があり、シチュエーションやシーズン、使い方によっても得手・不得手がありますが、一見、同じデザインなこともあり（実はそれぞれ微妙に異なるのですが）「どれを選べばいいのかわからない」という声もお客様からいただきます。

そこで、製品の特徴やデータを一挙に比較できるページを作りました。ぜひ、お客様のアクティビティやスタイルに合わせた最適なパンツ選びにお役立てください。

山と道はじめてのボトムスで、上記「使いやすい5つのポケット」「抜群の動きやすさ」「優れた速乾性」の3つの特徴を満たしつつ、なかでも強度・耐久性の高さが特徴です。

多くのナイロン生地のような光沢のある質感とは違うマットでソフトな風合いを持ち、軽量で膨らみがある「エアー加工糸」から作られた高密度なタスランナイロン生地が耐久性と軽量性を両立させています。

ハリ感と独特なシワが生地と肌を密着しにくくし、春から秋にかけての幅広いコンディションで快適に過ごすことができます。

Material: Taslan Nylon 120g/㎡
70d x 160d

5-Pocket Pants Men Women
5-Pocket Shorts Men Women
＊より詳しい説明は各製品ページをご確認ください

3種類の中でもとくに履いていることを忘れるような軽さと動きやすさが特徴です。

素材のパーテックス・イクイリブリアムは薄く軽量ながらリップストップ構造で強度があり、2方向へストレッチするので足上げなどの激しい動作も邪魔をしません。

またナイロンとポリエステルの混紡糸が杢感のある風合いを生み、裏面の凹凸感により肌離れもよく、さらりとした快適な履き心地です。

Pertex Equilibrium 62g/m²
78％ Nylon, 22% Polyester
20d x 20d, Double cloth

Light 5-Pocket Pants Men Women
Light 5-Pocket Shorts Men Women
＊より詳しい説明は各製品ページをご確認ください

DW 5-Pocket Pants / Shortsは過去の2製品シリーズの短所を補うために、山と道が独自に開発を依頼したパーテックス・イクイリブリアム生地を採用*。5-Pocket Pants / Shortsよりは軽くLight 5-Pocket Pants / Shortsよりは重い生地で、耐久性 / 軽量性 / 速乾性 / 通気性 / 防風性のバランスに優れ、1方向へのストレッチ性を持ちます。

生地に大きな凹凸を持たせたことにより汗をかいても肌離れが良い反面、履いていくうちに生地表面に独特な波打ったような風合いが生じやすくなります。

*Light Pants / Shortに使用しているパーテックス・イクイリブリアムとは厚みも素材感も異なります。

Pertex Equilibrium 88g/㎡ – 100% Nylon
70d x 60d, Double cloth

DW 5-Pocket Pants Men Women
DW 5-Pocket Shorts Men Women
＊より詳しい説明は各製品ページをご確認ください

ハイキング

岩稜歩きや藪漕ぎなどのタフな用途、稜線歩きな強風が予想される用途にも安心して使用できます。大量の発汗や雨で濡れてしまった場合には多少の貼り付き感がありますが、生地にハリがあるため不快感はそれほど高くありません。

トレイルランニング

高所や岩場など、冷え対策や耐久性が求められる場面にも対応し、十分走ることができます。ただし生地が比較的重いため足さばきはLight 5-Pocket PantsやDW 5-Pocket Pantsほど軽快ではありません。暖かい状況では暑さを感じることもあります。

旅行

保温性・防風性が高く、気候変化が大きい状況にも対応します。ラフな使い勝手にも耐え、旅先の常用着として様々な場面に適合します。

ハイキング

素材強度は相対的に高くないためあまりハードな用途には向きませんが、暑い日も風を素肌に感じながら快適に歩くことができます。大量の発汗や雨など濡れてしまった場合にも乾きます。着替え用途としてもジャマになりません。

トレイルランニング

5-Pocketのラインナップの中で最も軽く、ストレッチもあり動きやすさは抜群です。素材の強度的に岩場やヤブこぎには注意が必要となります。また寒冷下での停滞時には冷えを感じることがあります。

旅行

超軽量で畳めばコンパクトになり、洗濯してもすぐに乾くことから、暖かい場所での常用着/機内着/スペアなど広く活躍します。

ハイキング

5-Pocketラインナップの中でも最も機能性のバランスがとれており、動きやすさ、発汗時の快適さ、ある程度安心出来る素材強度を持ち、様々な状況に対応します。ハードな工程や夏の低山、縦走など汗を大量にかく場合でも肌離れが良く、さらりとした快適な履き心地です。

トレイルランニング

動きやすく、発汗時にも快適な履き心地を保つため、トレイルランニングに向いています。多少のラフな用途にも耐え、暖かい場面でも汗が気にならず風をまとい、涼しい場面でも適度な保温性・防風性を確保します。

旅行

軽量かつサラリとした着心地で、洗濯してもすぐに乾くことから、旅先の常用着として様々な活動に着用できます。

夏目彰（山と道代表）

僕のなかで、タスランナイロンの5-Pocket Pants / Shortsはチノパンやジーンズ感覚。どこでも安心してタフでラフに履ける安心感がある。3製品のなかではいちばん重たくはなるけど、普通のパンツと比べれば軽い部類に入ると思う。軽い生地は寒そうと思われがちだけど、ある程度の防風性があることから、強風下や、少し肌寒い季節でも安心して履ける。

Light 5-Pocket Pants / Shortsは暑い季節に活躍する。GWを過ぎて暑くなってくると早く履きたくてウズウズしてくる。Light 5-Pocket Shortsを履いて、朝寝ぼけまなこで自転車に乗っているときに、ふと、自分はショーツを履いてきただろうかと心配になることがある。それぐらい履いている感覚が乏しい裸感覚が魅力だ。Light 5-Pocket Pantsは僕の中で山で履くステテコ。

DW 5-Pocket Pants / Shortsはそのどちらも横断できるような機能性を持っていて、山で求められている快適性や強度、動きやすさなど、いちばんバランスがとれていると感じている。暑い日に急斜面を登っているときも、膝にくっついてくる感じが少ないのが気持ち良い。

渡部 隆宏（山と道研究員）

ハイキングはもちろんランニングの際や普段着としても5-Pocketシリーズを常用しています。

元祖5-Pocketはタフで防風性が高く、岩場のあるような山に行く際や肌寒い時期、特に秋冬の自転車で出番が多くなります。夏はLight 5-Pocketが主役ですが、私は部屋着や山行後の着替えなど1年を通じて愛用しています。レースでロングパンツが必携品となっている場合はLight Pantsをザックに入れています。

ランニングの時にはLight Shortsを選ぶことが多いですが、トレイルランニングではより汗離れがよくタフで、適度な生地厚のためスマートフォンが揺れにくいDW Shortsを履いています。5-Pocketラインナップは超軽量のものから冬用まで様々な種類がありますが、いずれも街着として違和感のないデザインに確かな機能性を備えており、アウトドアも日常も区別なく履き続けられることが共通する最大の魅力だと感じています。

*当ページで紹介している3種とMerino 5-Pocket Pants, One Tuck 5-Pocket Pants, 5-Pocket Shorts Lightを足した計6種類。

中村 純貴

これまで春と秋には5-Pocket Pants / Shortsを着用し、夏はLight 5-Pocket Pants / Shortsと使い分けてきた。
5-Pocket Pants / Shortsはタフで藪漕ぎも躊躇なく進むことができ、また肌をしっかり守ってくれている安心感がある。

移動にスピードが必要なときは間違いなくLight 5-Pocket Pants / Shortsで行動着のプランを考える。またどちらも乾きが速く、夏場に火照った身体を冷やすために川に入っても、晴れて風が吹いていれば行動開始から約20分ほどで80%は乾いている印象がある。

この5-Pocketラインナップの真ん中に丁度おさまったDW 5-Pocket Pants / Shortsを手に取り真っ先にピッタリだと思いつくシチュエーションは長期間のロングトレイルだった。実際、先日3泊4日で信越トレイル（80km）をDW 5-Pocket Pants / Shortsを履き歩いて感じたのは、DW 5-Pocketの特徴である「二重織り」の凹凸は、毎日履いても肌に与える違和感はなく、沢山汗をかいてもスルスルと動きたい方向へいなしてくれるということ。また縦横に狭いトレイルで木や岩に当たっても破れの心配をしなくても良いことに、とても快適さを感じた。

もしも1000kmに及ぶトレイルを歩くとなると、トレイルや天気だけでなく、季節まで変わることがある。そんな時にはひとつの分野に尖った特徴を持つパンツではなく、どのシチュエーションに対しても柔軟に当てはまってくれるDW 5-Pocket Pants / Shortsが適しているように思う。

山と道のパンツは動きやすさを独自のパターンと「いせ」と呼ばれる立体的な縫製で解決しました。その結果、膝のあたりに立体感があり、ヒップから太ももにかけてゆとりがあるシルエットになっています。

5-Pocket Pantsは生地にストレッチ性が無いため、シリーズ中もっともヒップから太ももに大きくゆとりを持たせていました。

DW 5-Pocket PantsとLight 5-Pocket Pantsは生地が持つ若干のストレッチ性を活かし、5-Pocket Pantsと比べ若干スッキリとしたシルエット*になるように作られています。

*2021年以前のLight 5-Pocket Pantsは現在よりスリムなシルエットでしたが、より動きやすさを重視し、2022年モデルよりDW 5-Pocket Pantsとほぼ同じシルエットに変更しました。

生地の収縮や縫製の誤差等で若干の誤差があります。
※1 ウエストのゴムを伸ばさずに測った「ゴム上がり寸」です。
※2 平置きした状態で腰回りの一番大きい部分を測った両脇巾です。

山と道のショーツは動きやすいように裾周りを大きくとることにより、熱気がこもらず快適に行動できることを意識したデザインです。

5-Pocket ShortsとDW 5-Pocket Shortsは同一のパターンを採用していますが、Light 5-Pocket Shortsはランニング時などの軽快性を重視してそれよりも1サイズぶん丈が短くなっています。

生地の収縮や縫製の誤差等で若干の誤差があります。
※1 ウエストのゴムを伸ばさずに測った「ゴム上がり寸」です。
※2 平置きした状態で腰回りの一番大きい部分を測った両脇巾です。

上図は5-Pocketシリーズ3製品それぞれの素材の引き裂きと引っ張りによる破断に対する強度を比較したものです。強度は素材の厚みに準じて5-Pocket Shorts / Pantsが最も高く、ついでDW 5-Pocket Shorts / Pants、薄手の素材であるLight 5-Pocket Shorts / Pantsはいちばん低い結果となっていますが、軽量性に富んでいるとも言えます。

上図は5-Pocketシリーズ3製品と化学繊維のベースレイヤーや薄手の一般的なポリエステル、綿のシャツ等と脱水15分後の生地内の水分率を比較したものです。速乾性試験は水分率及び残留水分率を測定するテストを実施しています。水分率は低いほど速乾性が高く、3製品とも脱水15分後にはほぼ乾いていることが示されています。

上図は5-Pocketシリーズ3製品と化学繊維の軽量ウィンドシェル、山と道のUL Shirtsの通気性能及び耐風性能を示したものです。

Light 5-Pocketは最も通気性に富んでいます。5-Pocketは通気性は低いですが、ウィンドシェル並みの耐風性があり保温性に優れていると言えます。

DW 5-Pocketは適度な通気性と耐風性を持ち、バランスのとれた素材です。

どの製品も長所と短所があります。各製品の特徴をご理解いただき、お客様の素晴らしい山の生活と共に山と道の道具があることを願います。