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山と道スタッフの推し道具

山と道京都編2023②

直営店スタッフの「推し」は何⁉︎ 山本、庄司、安藤とギアトーク
取材/写真/文:三田正明
協力:李生美
2023.09.16
山と道スタッフの推し道具

山と道京都編2023②

直営店スタッフの「推し」は何⁉︎ 山本、庄司、安藤とギアトーク
取材/写真/文:三田正明
協力:李生美
2023.09.16

みんな大好き山道具! ということで、山と道直営店スタッフの推し道具を紹介していく企画の第4弾です。

山と道材木座ー山と道京都へと続いてきた本稿も今回で最終回。トリを飾ってもらうのは、京都の山々をこよなく愛するイラストレーター「ヤマガスキナダケ」としても活動する山本、キャンパー上がりの新人馬渕、そして京都メンバー再古参で今回の紅一点、庄司の3人です。

ここまで総勢12名の「推し道具」を見てきましたが、筆者も改めて山道具は十人十色だということを実感した次第。それぞれ興味深く、個人的にも長らく固定化している山装備のアップデートを行いたくなりました。

では話し始めたら止まらない山道具話に、今回もどうぞ最後までお付き合いください!

山と道京都の面々

山と道京都スタッフ:上段左より山本暁洋、久保田綾、馬渕亮太、安藤優作、下段左より庄司真弓、永井絢菜

山本暁洋の推し道具

山本暁洋 2015年、子供が5歳の時に家族3人で日帰りハイキングを始める。地元京都を中心に関西の山で巨樹巡りや歴史に紐づいた登山を楽しみつつ山食音へ通うようになり、山と道やULスタイルと出会う。 その後、趣味のイラストが仕事となり副業でイラストレーターをはじめたことをきっかけに25年以上働いていた釣り業界を辞めた後、縁が重なり山食音を手伝うようになり現在に至る。 現在は3泊以上の長期テント泊や雪山、バイクパッキングにも挑戦しながらULに出会い自身の登山が大きく変わった感動を人に伝えたいと奮闘中。

京都の山をこよなく愛しつつUL道を邁進中

ーーまず自己紹介からよろしくです!

はい。山と道京都スタッフのジョージこと山本暁洋です。

ーーこと、ヤマガスキナダケさんとしてイラストレーターとしてもご活躍だよね。

いや、全然そんなことはないです(笑)。まだまだこれからです。

ーーいえいえ。ヤマガスキナダケさんは山と道JOURNALSでもHLC関西のハイキングプラクティスに参加したイラストルポを書いてくれているので読者の皆さんにもぜひチェックして欲しいところですが。山と道は入ってどれぐらいだっけ?

ちょうど1年ですね。山と道京都の前身の山食音を昨年の1月ぐらいからちょこちょこ手伝い始めて、去年の8月から正式に山と道に入りました。

ーー山はいつ頃から登ってるの?

もう約9年ですね。元々は夫婦や家族で近くの山に遊びに行ってたんですけど、連休の取れない仕事だったので、基本日帰りで京都近郊や関西近郊で繰り返し同じ山を登るような登山をずっとしてました。

ーーでも山好きイラストレーターのヤマガスキナダケとしても頭角を表すぐらいハマったというか。

ハマりましたね。でも、普通は登山をしているともっと高い山に登りたくなったり、新しい景色が見たくなると思うんですけど、僕の場合はさっき言ったように基本的に日帰り登山で、奥さんや家族で行くっていうスタイルだったので、アルプスとか高い山にはずっと行ったことがな かったんですよね。珍しいってよく言われるんですけど(笑)。テント泊も本格的に始めたのが山と道に入ってからなんで。なので、いま9年目なんですけど登山1年目ぐらいの感覚で、道具や登山スタイルを進化させている途中です。

ーーまあでも楽しい時期だよね。全部新鮮で。

ほんと新鮮ですね。でも、まだ新しい山に行くということにあんま慣れてなくて。自分の中では山って落ち着きに行くみたいな感覚だったんで、挑戦的なルートに行くのは新鮮ではありながらちょっと緊張する部分もまだあります。

ーーなんで最近北アルプスに初めて行ったんだよね。

いやあ、凄いっすよね(笑)。

ーー「日本にこんなすごい場所あったんだ!」てなるもんね。

だからこそ、これからも長く登山を楽しめるんじゃないかなって思います。また新たなスタートですね。

ーーじゃあそんなジョージのおすすめ山道具を教えてもらえますでしょうか。まずこれは熊鈴…なのか?

はい。いちおうこれは熊鈴として使っているんですが、実は元々は去年閉店した山食音のドアについてた鈴なんです。

① 熊鈴(山食音のドアの鈴)

お客さんが来店されるたびに鳴っていたんですけど、内装を解体して最後ドア外すっていうときにチリリンって鳴って、「おお!」って。

ーー「これ、もらえないですか」って?

そうそう(笑)。ドアは捨てるって言われたんで、「これだけ取ってください」ってお願いして、ずっと大事に持ってたんですよ。やっぱり音がよくある熊鈴に比べて本当に心地の良い音なんですよね。

ーーたしかに良い音。ただちょっと音が小さいんで、役に立つかは微妙だけど(笑)。

確かに。ただ僕、道具全般に言えるんですけど、たまたま家にあったとか、偶然出会ったとか、何かを代用して使っているっていうものをずっと使っていることが多いんです。自分で選んで買ったものってなんか残らなくて、むしろこういう出会いのものの方が愛着を感じるというか。

ーー確かにそういうものの方がいいよね。

なんでこれでしばらく行こうかと思います。全然音鳴んないけど(笑)。

ーーでも音はいいね。

うん、すごくいい。

ーーで、次がこちらなんだけど、これは何?

これは自作したものなんですが、ULSKです!

② ULSK(ウルトラライトスマホクリップ)

ーーユーエルエスケーって何の略?

ウルトラライトスマホクリップです。クリップ(Clip)なんでほんまはULSCなんですけど、これ作った5年前くらいにULSKって名付けて、もう僕らの家族の中ではULSKで通ってしまったんで。

ーーつまりスマホのスタンドってことか。

そうです。元はお店でポップとかをつけるクリップを改造したもので、ほんまは片一方はポップの紙を挟む用のクリップなんですけど、それを両方に物を挟めるクリップに改造して、これだったら垂直にも立つし、角度つけても結構しっかり立つんです。

シンプルだがスマホはしっかり立つ。

ーー家族にも浸透するほど使いまくってるという。

そうです。山盛り作ったんで、ハンガーにこれが一杯ぶら下がってるんですよ。これで洗濯物干したりしてて(笑)。クリップももっと小さいのとかいろいろ試してみたんですけど、やっぱりスマホを挟むにもこの大きさが理想で、木の枝とか挟むにも丁度良いんですよ。

ーー結構大きく開くもんね。

枝などにもぶら下げやすい。

どこにでもくっつけられるので、テントの中で何かぶら下げたり、それこそ、蚊取り線香をここにぶら下げたり、もう本当に何でも使えます。家庭内でも日々浸透してて、もはや家族の一員です。

ーーじゃあ次は?

はい。シートゥサミットのウルトラシルパックカバーのXSサイズです。

③ Sea To Summit - Ultra-Sil Pack Cover

これはもともと子供に買ってあげたザックカバーで15L〜30L用なんですけど。ちょっと前に自転車のハンドルバーバッグを自分で作ったときに、そのレインカバーとして昔買ったこれを「ちょうどいいやん」って引っ張り出してきたんですよ。あと、去年のHLC関西の高島トレイルでのハイキングプラクティスの時、2泊3日の3日目がザックがいちばん重くて。ていうのは雨でザックが水を含んで非常に重くなったということがあって。中の荷物を濡らさないならパックライナーの方が良いんですけど、ストレスを減らす意味でもザックが濡れないことって重要じゃないかなと思って。

ーーこのサイズでも山と道のMINIとかにつけられるの?

あまり中身を沢山入れていないMINIには背面は少し出るもののぴったりとはまる。

本当にジャストというか、MINIに80%ぐらい入れた状態でも実はハマるんですよ。あとザックカバーとしてだけでなく、スタッフサックとしてここに着替えを詰めたり、テントの中で上からぶら下げて物を入れたり、あとテントで細々としたもの全部ここに入れて足元に置いておいたりとか。

バンジーコードを引けば大ぶりなスタッフサックとしても使える。

ーーいろいろ使えると。ザックカバーってULハイカーの中では最近使われなくなってるけど、このくらい小さいのあえて使うのは新鮮かもしれない。

元は子供用のもうサイズアウトしてしまったザックのためのものなんですけどね(笑)。でも本来とはちょっと違う役割を持たせることでこれも持っていく意味があるのかなって。

ーーそのアイディア込みでね。じゃあ次は?

はい。次は山と道製品で、カットオフしたUL Padです。

④ 山と道 - UL Pad (Cut off)

ーーこれは200cmのUL Padをカットしたの?

そうです。元々は奥さんがテント泊にトラウマがあってなかなか行ってもらえなくて、それを払拭すべく何か対策ないかと寝具まわりからいろいろ考えたときに、やっぱどうしても100cmの純正のマット(山と道UL Padシリーズの半身用は長さ100cm)ではちょっと足りなくて。もう少し長くて頭から太ももぐらいまでしっかりカバーできるものにしたいなっていうので、まず175cmのUL Padを買って切ろうかなと思ったんすけど、それなら200cmので何か作れないかなって。

ーーULPadは100cmと175cmと200cmがあるからね。

で、200cmを買って奥さん用に130cmにカットして使っていたんですけど、なんかこっちの残り物の方に面白味を感じてきて。さらに短辺の方も6cm切って68cm x 44cmになりました。

ーー寝てみたらどう?

全然問題なかったです。この身幅ってエアマットみたいに厚みが4〜5cmあったら狭くて肩落ちると思うんすよ。でもこれって厚み1cmなんで、そのくらいだと落ちるっていう感覚が全くなくて。

枕を置けばお尻までがギリギリカバーされる長さ。

ーー長さはどう? UL Padの半身用は100cmなんで、30cmぐらい短くなってるけど。

相当短くなってるんですけど、僕は頭から上は枕使うなら肩からお尻まであればいいと思うんで。で、下半身にはMINIとかMINI2の背面に入っているMinimalist Padを敷きます。あと、ザックの内側にロール状にして入れるときも、このサイズがちょうどいいんですよ。MINIとかに入れる場合、100cmのを入れると1周半するじゃないですか。この1周半の半の部分って背面側になると背中に当たったりするんでパッキングをちょっと考えないといけないけど、これだとちょうど1周するサイズなんで、そういう分厚い部分ができない。

ーーなるほどね。

MINIにロール状にして入れるとちょうど1周する長さ。横幅も短くなってザックとのバランスも良い。

あと、幅も6cm短いんで、あまり荷物が多くないときに100cmのUL Padをロール状にして入れると、煙突みたいになってザックがでかく見えるのが嫌だったんですけど、これだと入れるだけできれいな形ができるのがいいと思ってます。なんで実はこれはスリーピングパッドとして最小限に切り詰めたというよりも、ザックにロール状に収納したときのサイズありきで割り出したサイズなんです(笑)。

カットしたUL Padをロール状に入れている状態。荷物が少なくともザックの形状が安定する。

ーー普通とは逆だけどそれも面白いね。じゃあ最後は?

ここまで昔から使ってるのとか自分で作ったものばかりだったんで、最後は最近買ったものを紹介します。これはアークテリクスのノーバンSLです。

⑤ Arc'Teryx - Novan SL 3

ーーアークのトレランシューズ。なんかもう水陸両用シューズってくらいのメッシュ具合だね。

この前、北アルプスで4日間ずっと濡れててやっぱり不快やったんで、次のシューズはいっぺん渇きを最優先でと思って。これは素足でも履けるらしいんで、最悪、靴下濡れたときとかは裸足で行ったらいいやと思って。

ーーすごい水はけ良さそうだし、素材も全然保水しなさそう。

アッパーは総メッシュ。さらに保水しにくい素材を使用。

アークテリクスは京都に直営店ができたんで、そこで散々聞いたんですけど、いちばんの推しがつま先の裏側に爪との引っかかりが無いらしいんですよ。裸足で履ける靴も爪がアッパーの縫い目とかに引っかかることがあって、僕も爪が何回か剥がれてるんですけど。

ーー裏側がツライチなんだ。

つま先の表面も裏側がツライチになっていることを伺わせる仕上げ。

だから本当に素足で履いて川の中に入ることぐらいまで考えてるっていう、そこもめちゃくちゃいいなっていう。特にこの夏は本当に川ありきの登山ばっかりしてるので、ベストだなっていう。

ーーしかも軽いんだよね。

これは171gです。あとインソールも一体型で無いんですよね。

ーーね。シンプル。

あとフィット感は、多分靴紐を結ばなくてもいいぐらいです、これ。良かったら履いてみてください。

シューレースの結び目をタンの中に収納できるようになっている。

ーー(履いてみて)やっぱり狭いは狭いかな。

アークの中では若干これまでより広めに取ったらしいですけどね。これは昨日届いたんですけど、この前に某メーカーのトレランシューズを去年買ったら、10ヶ月もたなかったんすよ。あの弱さが本当にちょっと驚愕で。

ーーまあね。でもトレランシューズってそういうもんだとしか言いようがないぐらいの時代になってるからね。完全に消耗品というか。

でもソールが残ってるのにアッパーが潰れるって僕は衝撃やって。ソールが駄目になるならわかるんですけど。

ソールはビブラム社製。

ーーシリアスに走ってるランナーだったら数ヶ月で履き潰すだろうからね。

いやもうそれが当たり前みたいですよね。僕、今までシューズは幅広のやつメインで考え過ぎてて勝手に自分の中での選択肢が狭まってたんですけど、京都にアークの路面店ができてお話ができたことで、面白いものが見つかったという。

ーーこれは他の色もある?

黒だけなんですよ。

ーー山で履くの楽しみだね〜。

馬渕亮太の推し道具

馬渕亮太 京都出身。15歳の頃ギターを始め、高校卒業後上京、プロミュージシャンの道へ。作曲、編曲、ギタリストとして活動。のちに手術の後遺症で手に痺れが残り、音楽を卒業。新たな道を探し始める。 部屋のスタイリング、動画撮影編集、コーチングなど自身の得意を活かし活動を開始。その後拠点を京都に移し、子供の頃よく遊んでいた山での野営が趣味になる。 後にULハイキングの存在を知り、その考えが自身の時間、生活、仕事などにも落とし込めると可能性を感じ元々の趣味も相まって2023年1月にULハイキングの世界へ。日常から山までUL思考を最大限に活かすために目下勉強中。

裏山キャンパーからULハイカーへ

ーーとりあえず自己紹介からお願いします!

6月より山と道に入社しましたマブこと馬渕亮太です。よろしくお願いします。

ーー入社したて。じゃあ京都店オープンと共に入った感じだね。

なかなか今まで経験したことのない職場のスタイルなので、やっと慣れてきたという感じです。

ーー山歴はどれくらいなんですか?

ハイキング自体は今年の1月からなんですよ。その前はずっとキャンプをやってて、ひとりで山に入ってそこで野営して、また街に帰ってくるみたいな感じのことを2年ぐらいやってました。

ーーキャンプにはクルマで行ってたの?

遠くのキャンプ場に行くときはクルマとか使用してますけど、基本的にはザックひとつに道具をまとめて行くっていうスタイルでした。

ーー主にキャンプ場でキャンプしてたの?

最初はキャンプ場だったんですけど…

ーーもうちょっとグレーな場所とか?

そうなんですよ(笑)。地元が京都の田舎の方なんですけど、そこの山に入ってキャンプしてっていう感じでしたね。

ーーじゃあ歩き始めたのはなんでなの?

キャンプって停滞する時間がすごく長くて、結局食べることぐらいしかやることがなくなっていくんですよね。暇だな〜てなって(笑)で、次のスタイルとしてブッシュクラフトっていう木の枝とかで椅子とかいろんなものを作る方に行くのか、それともハイキングして山に泊まって帰ってくるかで迷ってたんです。で、ハイキングの方が自分の体力作りになるかなと思って。

ーー歩いてみたらどうだったの?

歩いてみたら思ってた以上に体力がなくてびっくりしたんです(笑)、けど歩くこと自体がすごく楽しくて、テン場に着いて過ごす時間っていうのも、今まで行ってた山よりも深い山に行けるようになったので。そこがすごく楽しくて。

ーーまあね。山の上に行くとすごいキャンプサイトいっぱいあるもんね。

ていう経験はやっぱり、実際に自分の足で歩いて行かないとわからなかったことなので、そこでよりキャンプもハイキングも好きになってきたイメージですね。

ーーじゃあそんなキャンプにもこだわりのあるマブ君の道具を紹介してもらいますか。

ひとつ目は、僕がアウトドアにのめり込んだきっかけのひとつとして、焚き火があったんですね。やっぱりそれはハイキングでもテン場に着いたときの楽しみとして欲しいなっていうところで好きなギアが、このファイヤーボックスのナノっていうチタン製のネイチャーストーブです。

① Fire Box - G2 Firebox Nano

ーーこれはネイチャーストーブの中でも結構ちっちゃい方だよね。

そうですね。展開もパッとできて、ギミックも素晴らしいんです。燃料は基本的に森に落ちてる小枝とかなんですけど、長い枝もこの丸いとこからどんどん投入していけるんですよ。

ーー小さいけどちゃんと使えるっていうか。

薪を差し込む穴が左右で形状と位置が違う。

そうですね。あとすごく丈夫なので長く使っていけそうなとこも良いです。特に好きなところが、枝を入れる穴が2箇所あるんですけど、穴の高さがそれぞれ微妙に違うんですよ。ここから長い枝を入れていくんですけど、交差する感じで入ってくれるので、燃焼効率が落ちないっていう。ギアとしてすごく緻密に設計されてるんです。上から見ると正方形じゃなくて、ちょっといびつな形になってるんですけど。

ーー熱で曲がってそうなっちゃったわけじゃないんだ。

上から見ると正方形ではない少しいびつな構造。

じゃないんですよ。これはペタンっと畳めるようにこうなってて。ここら辺の造形の美しさも、このギアのすごく良いところで好きな部分。展開もすごく速くて、それなりに大きい径のお鍋も脚を広げてあげれば対応できたり、逆にちっちゃい径も対応できたりとか。こいつひとつでゆっくり調理もできるし、火を楽しむこともできるんです。

畳むとこのサイズ。

馬渕は他社製のポーチに地面保護のためのカーボンフェルトと共に収納している。

ーーひとりでちょっとした焚き火ごっこをするならぴったりというか。

そうなんですよ。燃焼効率が良いので、大きな灰が残ったりもしないんですよね。そこまで大きい木を入れる想定じゃないので。

ーー真っ白になる。

なので後の処理もすごくラクで。そういうところもいいところです。

ーー1個持っててもいいかもね。

はい、テン場の楽しみとして。

ーーじゃあふたつ目はこちらですか?

これがエクソタックのナノスパークというものです。

② Exotac - Nanospark

ずっとライター使ってたんですけど、使い道がこういうストーブに着火するためだけだし、ライターだと以外と火をストーブの底の方まで突っ込まないといけないので…

ーー「熱!」ってなるよね。

で、結局付いてなかったりとか、何回か試さないと駄目やったんですけど、このエクソタックは火花がアルコールストーブに落ちてくれるので。回すだけで大丈夫。

アルコールストーブにはほぼ一発で着火可能。

ーー結構ガッツリ火花が出るんだね。

一発で着火できるのでめっちゃいいですよ。しかも燃料じゃないので半永久的に使用できる。

ーーこんなにパワーあるって思わなかった。もうちょい何回もやってやっとつくかなって思ってたけど。

一発です。あとは固形燃料とかも燃料アルコールをちょっとだけ上に垂らしてあげてから、これをチャッとすると燃えてくれるので。

ーー焚き火の火つけにはどう?

実はこの柄の部分に火つけ用の綿が入ってるんですよ。

柄にはクイックライトという火つけ用の綿を収納している。

ーーこれってこの火打石の部分だけで道具として成立してるから、柄はもっと短くできないのかなと思ったけど、ちゃんとそこにも機能が入ってるんだね。

そういうことなんですよ。これが燃えやすい素材になっているので。

ーーそれ補充はできるの?

別売りで補充できます。

ーー濡れても使える?

ファイヤースターターの部分は使えます。濡らしてみます? 柄の中も防水のパッキンが付いてて濡れないようになってます。

ーーいいね。前から存在は知ってたけど、こんなに強力だとは思ってなかった。

そうなんですよ。あと、使い捨てじゃない道具っていうのも自分の中ですごい好きなところで。ちょっとかっこいいデザインと、長く使えるっていうところ、あとはシンプルに便利なのでお気に入りのギアです。

ーーはい、ありがとうございます。じゃあ3つ目はこちらですか。ハイパーライトマウンテンギアの。

エッセンシャルアンブレラですね。

③ Hyperlite Mountain Gear - Essential Umbrella

ーーユーロシルムとかシックスムーンデザインズの傘はよく見るけど、ハイパーライトの傘は本物見るの初めてだ。

本当ですか。傘の重要性を認識したのは、4月にHLC関西の『台高山脈1泊2日ULハイキングワークショップ』に参加したんですけど、その日が雨だったんですよ。自分は安物の折り畳み傘を持っていってたんですけど、他の参加者の方は皆こういう感じの傘を持ってて。シンプルにかっこいいなと思ったし、雨が降ってきてすぐさせる傘の便利さを改めて感じたんです。帰ってからすぐにいろんな傘を調べてる中で、ちょうどこのハイパーライトの傘を見つけて。これの特徴としては傘地が二重になっていて、強風を受けたときに風を抜けさせてくれるんです。

ーーへ〜!

これは本当に意味あんのかなと思ってたんですけど、意外と意味があって。

ーー風をいなしてくれるんだ。

いなしてくれるんですよ。あとは最近は日傘としても出勤とかで使ってます。

ーー今年の夏なんて特に使いたくなるよね。ユーロシルムとどっちが軽いんだろ。

195gなんで同じくらいです。でも先端が石突きになってて歩く時も使えるってのと、グリップのエンドにはふいに傘が飛ばされないようコードが付いてるんで、これを完全防水のビビィにプラスして屋根代わりに使えたらなって。

グリップも持ちやすい。

ーービビィの足元は外に出してね。

頭だけこの傘でガードできたらタープは持って行かなくてもいいかも、じゃあ傘に投資してもいいかと、これを購入しました。

ーーありがとう。では4つ目は?

ULAイクイップメントのレインキルトです。レインスカートになります。

④ ULA Equipment - ULA Rain Kilt

ーー「レインキルト(Rain Kilt)」って名前でスカートなんだ。

これの良いところは、雨が降ってきたら悩まずすぐに穿けること。靴脱いでレインパンツ穿くの面倒くさいな、ちょっと様子見てみようかなって考えてるとき、これならもうパッと出して穿いちゃおうって思えるし、後々の後悔が少ないですね。

ーー脱ぐのも穿くのもラク?

ラクです。穿いてみるとこんな感じですけど、これぐらいのスピードだったらもう悩むこともなくパッと穿けます。あと裾がマジックテープになってるんで、バッと足を開いたとしても外れてくれるんですよ。

マジックテープで簡単に開閉できる。

ーーここはもうパカっと全部開くんだ。

本当にシンプルな1枚の布になります。で、マジックテープなので歩いているうちに勝手にくっついてくれるんで、特に取れたからといって、特別付け直すこともなく。

ーー本体にポケットがついててパッカブル仕様なのも良いね。

ポケットにパッカブル収納するとこのサイズ。

袋をなくす心配もないし探す手間もないですよね。

ーー脱いだ時に袋どこだっけとか思いたくないもんな。

そこにエネルギーを結構使っちゃいますからね。あとシュルシュル〜っとしてあげるとすぐに収納できて、この動作が速いのがやっぱりいいですね。コンパクトだし。

ーー下半身がショーツだったらこれで十分かもね。

高山とかはちょっと怖いかもしんないですけど、あんまり風が吹かない樹林帯の低山とかだったら、これでパッと身につけて行動するっていうのは選択肢としてありと思います。

ーー80gでレインパンツより軽いしね。じゃあ最後はこれ?

はい。マウンテンローレルデザインズのMLDスーパーライトソロビビィですね。

⑤ Mountain Laurel Designs - MLD Superlight Solo Bivy

ーー収納サイズ、ちっちゃいね。

ちっちゃいですね。これは完全防水ではない、撥水ビビィなんですけど。

付属のスタッフサックに収納した状態。

ーーどっちかというとシュラフカバー寄りのビビィって感じか。

そうなんですよ。それでいてヌケもいいので、結露があんまりないんです。

ーー顔のとこはメッシュなんだね。

なので息もしやすいです。僕の場合、地べたで寝るときはタープかゲートウッドケープが多いんですけど、座ってるときは虫はそんなに気にならないんですけど、寝る時はゆっくり寝たいので、ここだけ蚊帳があったらそれで十分かなっていう。それでいくと、ゲートウッドが280gぐらいで、これが170gぐらいなので、ふたつ合わせても450gくらいと軽いので、それで落ち着いてるっていう感じです。テントの結露に対しても撥水が効いてるので、ポタポタ落ちてきたとしても寝袋のロフトが潰れることもないし。で、もう天気が良いってわかってればこれだけで寝て。この間の山道祭でもこれだけで寝たんですけど、夜露で表面は濡れていても中でロフトが死んでるっていうのはなかったので、夜露ぐらいでは今のところ大丈夫っていう感じですね。

中に入るとこんな感じ。

ーー横までガバっと開くんだ。

そこもいいんですよね。

ーーこれで170gだから、SOLのエスケープビビィ(241g)より軽い。エスケープライトビビィ(156g)ぐらいの重さだよね。保温性はエスケープビビィの方がありそうだけど。

このビビィ以外にも他社のビビィを使ってるんですけど、そっちは結構結露に悩まされてて。でもこっちは今のところ結露しないので、そこがすごくお気に入りです。基本的にテント張ったらこの中にいるんですよ。この中であぐらをかきながら何か調理したりとか、お湯沸かしたりっていう状況。

ーーそれできるくらい広いんだ。

はい。そういう感じでズボラに過ごせるっていう所がいいですね、このビビィは。

庄司真弓の推し道具

庄司真弓 学生の頃から低山ハイクやキャンプが好きだったが、より自然を求めニュージーランドへ。各地の農場で働きながらクルマで全土を巡り、ルートバーントラックから各地のローカルトレイルまで歩き、すっかり魅了される。一方で日本の山々や文化をほぼ知らないことにも気づき帰国後は国内の旅に没頭する。 初のテント泊で北アルプスを歩いた際、友人のUL装備の軽さに度肝を抜かれ山と道を知り、ある日京都のクラブで代表の夏目&山食音の東との出逢いをきっかけに山食音立ち上げの手伝いをしたことから今に至る。 冬は2ヶ月北海道でスノーボードを楽しみ、春にまた京都に戻るという逆渡鳥生活を10年あまり続けている。お笑いと音楽が大好物。

偶然に繋がった山と道との縁

ーーまず自己紹介からお願いします!

山と道京都スタッフの庄司真弓です。しょうちゃんと呼ばれています。

ーー庄司さんは山と道の京都スタッフ最古参ですよね。

気づけばそんなことになりました(笑)。

ーーそもそも山と道京都の前身の山食音で働き始めたきっかけは何だったんですか?

元々、山と道はサコッシュとか使ってたんですよ。で、山も結構好きで行ってたところに、京都のメトロってクラブに遊びに行ったら夏目さんがフロアでガンガン踊っているのに遭遇して(笑)。そのイベントのオーガナイズしているのが友達だったんですけど、友達と夏目さんが喋ってたんですね。それで、これはもう話しかけるしかない! と思って行ったら、「今度京都に店を作るんだよ」って言われて、一緒にいた山食音の店主だった東(岳士)君も紹介してもらって。それで「じゃあみんなでシャンパン飲もう」みたいな感じで乾杯しました。

ーーじゃあ山食音準備してる時に偶然会ったんだ。

そうなんですよ。まだ工事が始まったばっかりぐらいの時ですね。で、「お店みんなで作りたいなと思ってて、いろいろ手伝ってくれる人探してるんだよね」みたいな感じやったんで、「じゃあまた今度休みの日とか、何かできることあったら、私も友達とか声かけてみんなで行きますよ」みたいな感じで、よく手伝いに行ってたんです。山食音の壁とか塗ったり、みんなでニス塗ったり。

ーーそれが6年前か。そのままお店も手伝うことになって。

そうですね。なんでもう本当あれよあれよという間にって感じです。で、気が付けば今もこうやって京都店にいます。不思議なご縁ですね。関わらせてもらってからずっと楽しませてもらってます。

ーーこちらこそです。山はどんな感じが多いですか?

普段は近所の山とか京都一周トレイルのお気に入りのセクションを何回も行ってる感じですね。あと夏に友達同士でアルプスや各地への旅で一日は山に入ったりっていう感じのハイキングスタイル。冬は北海道でバックカントリーするときにも登ってますね。あと、山は最高!っていちばん実感したのは、ニュージーランドのワーキングホリデーに行ったときに、ファームステイしながらローカルのトレイルをいろいろ歩いたんですけど、もう景色が壮大で森の植物も日本とはまた違って、そっからまた日本のトレイルをもっと歩きたいなっていうとこから山と道も知ったので、やっぱりそういう空気感とか自然に魅了されてるところは多いですね。

ーーじゃあ、そんな庄司さんの推し道具を教えてください!

はい。ひとつ目はKM4K(カモシカ)のティッシュポーチです。

① KM4K - Tissue Pouch

KM4Kは今はベースを長野県の白馬に移して活動してるんですけど元々は京都のブランドで、友達がプロスノーボーダーしながら自身の使いたいものとか、発信したいものをデザインしてウェアからスノーボード、アパレル製品など幅広く作っています。山で使える道具もたくさん出していて、私もたまに作業を手伝ったり、遊びに行ったり、一緒に山に撮影に行ったりしていました。

ーー庄司さんはいろんな人をお手伝いしがちですね(笑)。

つい、からんでしまいますね(笑)。で、私は山でポケットティッシュは欠かせないので、2〜3日行くときは絶対に4〜5個は持って行くぐらいなんですけど、ティッシュと小物が両方すぐに取り出せるポーチが欲しいって言ったら製品にしてくれて。

ポーチは裏表にふたつのポケットがあり、片面はポケットティッシュ用。

ーーじゃあ庄司さんモデルってことじゃないですか!

いやあ、嬉しいですよね(笑)。大きさとかもいろいろ打ち合わせたりして、もちろん生地は軽くて薄いリップストップナイロンで作ってもらいました。ティッシュ入れに小物用のポケットもあるんで、女の子の日のものを入れたり、あとなんだかんだリップとかエマージェンシー系のものとか入れたり。お花摘みポーチと名付けました!

もう一方は予備のティッシュや小物やエマージェンシーキットなどを入れるのに良い大きさ。

ーーこれは今も売っているの?

もう完売してるかもしれないですけど、でもまた来期にまた違う色で出せたらいいなっていう話はしてます。

ーー自分は山にはトイレットペーパーの使いかけの芯を抜いたのをジップロックとかに入れて持って行くんですけど、最近ポケットティッシュでもいいかなと思ってて。これ欲しいな。

ぜひ!

ーーで、次は?

はい。無印良品の小分けチューブとかケースとか、いろいろです。

② 無印良品 - ポリエチレン小分けボトル/ポリエチレン小分けチューブ/クリームケース

ーーこれは何を入れてるんですか?

それは化粧水で、あとこっちは日焼け止め。化粧水とか日焼け止めとか結構ゴツいじゃないですか。そういうのを入れ替えて持って行くんですけど、漏れないし、すごく使いやすいです。で、こっちが保湿用のホホバオイルで、あんまり日焼け止めきついの塗らないときとかだと、ホホバオイルってUVカット効果もあって保湿もできますし、髪とかにも使えたりするので、結構これも持ち歩いてます。あと、このチューブタイプに自分が使ってる歯磨き粉をチューって入れて持って行ったりとかもできるんで、これも結構気に入ってます。あとこの小分けケースはシアバターを入れてて。傷とか火傷にもシアバターは使えるし、保湿にも使えるんです。でもやっぱり化粧水があるとちょっとさっぱりしたい時もティッシュとかに湿らして汗拭きシートみたいな感じで使ったりします。化粧水は万能にスッキリできるんで。なんでそんな感じで化粧水も持っていきます。

ーーここら辺は多くの男はあんまり気にしてないんで非常に勉強になります(笑)。確かに日焼け止めのパッケージは1回の山には大きいんでこういうのに詰め替えると良いですね。

そうなんですよ。かといってやっぱり塗らないとね。この間も耳とか1回むっちゃただれて、皮めくれてとかなっちゃって。やっぱ山は侮れないんでね。

ーーやってみます。じゃあこのスプーンは何ですか?

これは詳しい製品名とかはわからないんですけど、京都の匙亀さんという食器屋さんで買った木製スプーンです。

③ 京都匙亀で購入の木製スプーン

これは実は山食音でお客さんにミールスで出してたスプーンとまるっきり一緒で。それを店主だった東君にどこで買ったのかを聞いて、京都の匙亀っていうところで買いまして。それからは家でも山でも使ってます。アルファ米とかちょっと深いの食べたいときにも柄が長くて食べやすいし、口当たりも良くて。

絶妙なフォルムとサイズ感。

深いクッカーの底の方も余裕ですくえる。

ーーこれは見るからに良い感じ。

もう最高です。大き過ぎず小さ過ぎず、しかも軽いんですよね。これとお箸を持って行けばフォークはいらないなっていう感じで使ってます。

ーーやっぱプラスチックのスプーンって味気ないというか、味もおいしくなくなるというか。

そうなんですよね。チタンのスプーンも使うんですけど、「熱っ!」てなるじゃないですか。木のスプーンってそれがないから、熱いものをおいしく食べられます。

ーー京都の匙亀さんは木製スプーンを作っているお店?

だけじゃなくいろいろ各種あります。食器類とかキッチンツールのセレクトショップで、これはオリジナルなのか、どっかから取り寄せてるのかちょっとわからないんですけど。でもこのスプーンは思い出深いですし、気に入っております。

ーー次が……これは何ですか?

これはお香です。パピエダルメニイという紙のお香

④ Papier d'Armenie - Carnet Tradition

ーーこれはどこで?

元々はフランスで作られてるみたいなんですけど、最初はどっかのセレクトショップに売ってたのを買ったと思います。で、その後も見つけたら家と持ち歩く用に買ってます。

ーーどんなときに使うんですか?

ちょっとリフレッシュしたいときとか、あと、お手洗いとかの使用後に使ったりとか(笑)。

ーーでも山のお手洗いだと臭いがすごいから役に立たないかも(笑)。

山で使うときはテントで炊くことが多いですね。

ーーそれはスローに燃える?

もう一瞬で燃え尽きます。

ーーで、匂いが残る。

そうですね。

ーー(パピエダルメニイのサイトを見ながら)「創業1885年の世界最古のお部屋の消臭剤。キッチン、タバコ、ペットなどの悪臭を取り去り、クラシックでよい香りを残します」だって。ベンゾインの樹から採取されるベンゾイン樹脂が成分みたいですね。

短冊状に閉じられた紙製のお香を切り取って使う。

これステッチ入ってて千切れるんで、むっちゃ燃やしたいときは多めにしてもいいですし。
これは山だけでなく生活のいろんな場面で結構長年使ってますね。

ーーテントでお香、良いかも。で、次は?

次はギアじゃないんですが大丈夫でしょうか(笑)。昨日たまたまドン・キホーテに行ったら見つけた、キンミヤのシャリキンパウチです。

⑤ 宮崎本店 - 20%キンミヤシャリキンパウチ 90ml

ーーこれはどう使うものなんだろ。冷凍庫で凍らせてシャーベット状にするのか。

そうみたいです。本来はこの凍った焼酎に割り剤入れたら冷たいまま薄まらずに飲めるよっていうやつやと思うんですけど、山でね、お酒のボトル持っていくの大変じゃないですか。

ーーこれなら持って行かなくていいからね。

なんでウイスキーとかもこういうタイプ出たら嬉しいなと。

ーー確かに。これくらいがちょうどいいって人もいそう。自分はもっと量がないとダメだけど(笑)。でもこれはいっぱい持っていけばいいのか。

そうですね。これを3、4個持ってって1日ずつっていうのもすごくいいですね。

ーー1日2本ずつとか、3本ずつとか。

どんどん増えていってる(笑)。でもこれ山小屋とかで売ってもよさそうですよね。

ーー確かに。凍ってたら尚更ヤバい。

なんか面白いなと思って昨日買ってみただけなんですが(笑)。

ーーで、次が最後ですね。

はい。これはミキクロタのフルーツサックです。これはメロンかな?

⑥ Mikikurota - Fruits Sack (Melon)

ーー確かフルーツに合わせたサイズ展開があるですよね。これがいちばん大きいのかな。

いや、りんご、メロン、スイカとあって、これは中間やったと思うんですよね。なんかその発想もかわいらしいですし、あとは何よりも中身が見やすいっていうのが気に入ってます。

ーーやっぱスタッフサックは広口がいいよね。広口だけでいいぐらい。いっそ細長いのなんかいらんって気がする。

結局私もこれに辿り着きまして、いっぱい使ってますね。持ち手があるのもすごく良いですし、ループにストラップをつけたらサコッシュみたいにも使えます。

メロンを丸ごと入れられるように球状のフォルムになっている。

ーーでもよくよく見ると凝った作りだね。はぎ目がすごい。

そうなんですよ。見た目もかわいく実用性もあって。あとよくするのは白いからヘッテンを中に入れて光を拡散して、テントの中にぶら下げたりしてます。

ヘッドライトを入れるとランプシェードに。

ーーこれも名作だね。

ですね。気に入ってます。これは多分いちばん最初の京都ハイカーズギアパーティー(2018年)で買ったかもしれないです。思い出の品ですね。

ーーありがとうございます。今後も京都をよろしくです!

三田 正明

三田 正明

フォトグラファーとしてカルチャー誌や音楽誌で活動する傍、旅に傾倒。 多くの国を放浪するなかで自然の雄大さに惹かれ、自然と触れ合う方法として山に登り始める。 気がつけばアウトドア誌で仕事をするようになり、ライター仕事も増え、現在では本業がわからない状態に。 アウトドア・ライターとしてはULハイキングをライフワークとして追い続けている。 取材活動のなかで出会った山と道・夏目彰氏と何度も山に行ったり、インタビュー取材を行ったり、酒を酌み交わしたりするうちに、いつの間にかこのようなポジションに。 山と道JOURNALSを通じて日本のハイキング・カルチャーの発展に微力ながら貢献したいと考えている。

連載「山と道スタッフの推し道具」