衣食住を背負う

2023年5月の特集 バックパック
2023.05.10

衣食住を背負う

2023年5月の特集 バックパック
2023.05.10

ULハイキングのための道具をお届けしながら、それを使う人や、見える風景、その土地の文化を含めたULハイキングの魅力を広く伝えていきたい。そんな想いから山と道では毎月テーマを掲げ、直営店やそこに集まる人々、ウェブを横断して情報を発信していきます。5月のテーマは「バックパック」です。

衣食住を背負う

ハイカーにとって、どのバックパックを選ぶかはアイデンティティの証明でもあります。バックパックはハイキングの象徴であり、衣食住を詰め込んだ家であり、ハイカーはその家を背負って歩いていると言えるのではないでしょうか。 5月の特集は「衣食住を背負う」をテーマに、バックパックについて様々なストーリーをお届けします。

STORES

山と道の直営店はULハイキングにまつわるヒト・モノ・コトを発信していく拠点として、山と道の製品や、ハイカー仲間と出会い、カルチャーを育んでいく場として展開しています。

5月の特集「衣食住を背負う」に関連して材木座と京都のスタッフが自身のパッキングを披露。背負い方やパッキングのコツなどもお伝えします。

山と道 京都

HLC関西
トークプログラム『JKとONEとCDT』

北米のロングトレイル CDT(約5,000km)に
挑戦するJKによるトークショーを開催

『山と道 京都』スタッフJKこと中村が山と道のバックパックのラインナップの中でロングディスタンスハイキング向けとも言えるバックパックである『ONE』を背負って、アメリカ大陸の3大ロングトレイルのひとつであるCDT(コンチネンタル・ディバイド・トレイル)に挑戦します。以前歩いたPCT(パシフィック・クレスト・トレイル)の経験を踏まえ、CDTに向けてJKはどんな準備をしてきたのか?など、『JKとONEとCDT』と題しトークを行います。

これから半年間にわたってハイキングをするJKの壮行会を兼ねての開催となりますので、ぜひご参加ください。

プログラム後は、懇親会を予定しています。クラフトビール片手に語り合いましょう。

CDTとは
CDT (コンチネンタル・ディバイド・トレイル)は、カナダメキシコ国境からカナダ国境カナダ国境まで、ロッキー山脈に沿った荒涼とした地形や天候の厳しい地域を歩く北米大陸の分水嶺を縦断する約5,000kmのロングトレイルです。

HLC関西 トークプログラム『JKとONEとCDT』
北米のロングトレイル CDT(約5,000km)に挑戦するJKによるトークショーを開催

会場:山と道 京都
開催日:5月28日(日)
開場:14:30
開始:15:00
終了:16:30
懇親会:17:00 – 20:00
定員:30名 ※最少催行人数:10名
参加費:2,000円
参加対象:ULハイキングやロングトレイルハイキングに興味がある方
募集締切:5月26日(金)

  • 店頭で販売しているクラフトビールを1本ご用意します。
  • 他の食べ物やドリンクが必要であれば、各自持ち寄りでお願いします。店頭でもクラフトビールを販売しています。
  • 製品の購入はできません。
  • 同じイベントを6月12日(日)に山と道材木座でも開催予定です。山道祭が順延した場合は中止となりますので、ご了承ください。
中村 純貴<br>Junki Nakamura
中村 純貴
Junki Nakamura

山と道 コミュニケーションスタッフ。

2018年28歳、メキシコからカナダまでアメリカを縦断する「パシフィック・クレスト・トレイル(PCT)」4,250kmを踏破。歩いたことで「足るを知る」という考え方に気づき、ULの重要性を知る。同年山と道に入社。以降、山と道HLCを通してU.L.ハイキングを学び、実践を通しUL的思考に磨きをかけ、深めてきた。
そして今年2023年、コンチネンタル・ディバイド・トレイル(CDT)を歩く。この5,000kmのトレイルに山と道で培ったUL装備にて挑戦することを楽しみにしている。

その他開催予定のプログラム

HLC関西 山と道のULハイキング入門

装備のUL化は実践あるのみ。山と道HLCでは、山と道の考えるULハイキングの概要を知ることができる座学形式のプログラムを行っています。各自が持参した道具のギアリストを作成しながら道具の取捨選択の方法を知り、UL装備化の手順やポイントを理解します。ULハイキングを様々な角度から学べる内容となっているため、ぜひご参加ください。

会場:山と道 京都
開催日:5月21日(日)
集合:13:00
解散:16:30
定員:12名 ※最少催行人数:5名
参加費:2,000円 ※当日現金でお支払いください。
参加対象:登山・ハイキングの経験があり、ULハイキングやHLCの活動に興味がある方
募集締切:5月19日(金)

現在定員に達しており、キャンセル待ちの状態です。
キャンセル待ちを希望する場合は、こちらからキャンセル待ちを申し込んでください。

HLC関西 ミートアップ

ULハイキングやHLC関西の活動に興味のあるハイカーの交流会を、山と道の直営店『山と道 京都』で行います。
ULハイキングの経験者はもちろん、ビギナーの方にとっても有意義な出会いや情報交換の場となりますので、ぜひお気軽にご参加ください。

会場:山と道 京都
開催日:5月21日(日)
時間:17:30 – 20:00
定員:20名 ※最少催行人数:10名
参加費:1,500円 ※当日現金でお支払いください。
募集締切:5月19日(金)

  • 店頭で販売しているクラフトビールを1本ご用意します。
  • 他の食べ物やドリンクが必要であれば、各自持ち寄りでお願いします。店頭でもクラフトビールを販売しています。
  • 製品の購入はできません。

山と道京都 ご来店予約に進む

山と道 材木座

HLC鎌倉 山と道バックパック パッキング&フィッティング講座

山と道のバックパックの特徴や、一般的な登山に使うバックパックとの違いについて理解していただくために、『山と道バックパック パッキング&フィッティング講座』を神奈川県鎌倉市にある山と道の直営店『山と道 材木座』で開催します。

ショップスタッフが山と道の各バックパックのパッキング方法を紹介し、参加者の皆さんに特徴を理解していただいた上で、ご自身の装備を使ってのパッキングやフィッティングも行います。

これからバックパックを購入したい方も、既にお持ちの方も話を聞いてみると、新たな発見があるはずです。ぜひお気軽にご参加ください!

HLC鎌倉 山と道バックパック
パッキング&フィッティング講座

場所:山と道 材木座
開催日:5月21日(日) / 5月28日(日)
時間:①11:30 ②13:00 ③15:00 ④16:30(それぞれ約1時間)

  • 参加費は無料です。
  • 申し込みは不要です。開催日に山と道材木座のご来店予約者であればどなたでも参加できます。
  • ご予約時間以降の回にご参加ください。
  • ご自身の2泊3日の装備をご持参ください。

その他開催予定のプログラム

HLC鎌倉 ミートアップ

HLC鎌倉では、ULハイキングやHLC鎌倉の活動に興味のあるハイカーの交流会『ミートアップ』を神奈川県鎌倉市にある山と道の直営店『山と道 材木座』で毎月1回行っています。

今月のテーマは『バックパックの困りごと相談会』。当日はスタッフと参加者の皆さんでバックパックの困りごとを共有し、みんなで解決していきましょう。

『ミートアップ』は基本的には各自食べたいものや飲みたいものを持ち寄って行う懇親の場です。ULハイキングの経験者はもちろん、ビギナーの方にとっても有意義な出会いや情報交換の場を目指していますので、ぜひお気軽にご参加ください!

場所:山と道 材木座
開催日:5月20日(土)
開始:17:30
終了:20:30
定員:20名 ※最少催行人数:10名
参加費:1,000円 ※当日現金でお支払いください。
募集締切:5月17日(水)
参加資格:当日参加者はバックパックの困りごとを一つご用意ください。

  • ワンドリンク(ヨロッコビール)付き。
  • 他の食べ物やドリンクが必要であれば、各自持ち寄りでお願いします。
  • 製品の購入はできません。

山と道 材木座 サタデーハイカーズラン

体もUL化すべく、スタッフと一緒に朝の気持ちいい空気を浴びながら、トレイルや海沿いを走りませんか? 山と道 材木座に集合なので、ふらっとご自由に参加いただけます。

集合場所:山と道 材木座
日時:毎週土曜日 9:00-10:00
定員:なし(自由参加)
参加費:無料
距離:5~7km(未舗装路含む)
予定日:5月6日(土) / 5月20日(土) / 5月27日(土)

  • 中止の場合は、前日15時までにインスタグラムのストーリーズでお知らせします。
  • 会話ができる程度のスピードで走ります。
  • 着替えが必要な場合は、店舗内試着室をご使用いただけます。
  • 製品の購入はできません。

山と道材木座 ご来店予約に進む

※交流スペースは当面の間、土曜日・日曜日限定の開放となります。

バックパックの交換パーツを
山と道直営店で販売開始

山と道ではすべての製品の修理を受け付けており、複雑なリペアは修理部スタッフがひとつひとつ作業しています。しかし、なかには破損したパーツ交換のみのご依頼もあります。山と道のバックパックのパーツの一部は誰でも簡単に交換ですることができます。そこで、これまでお問い合わせの多かったバックパックの交換パーツを5月20日から山と道 材木座、京都店にて販売を開始いたします。ヒップベルトやスターナムストラップのほか、バックルやコードエンド、ジッパータブなどの細かいパーツも販売予定です。詳細は後日公開いたします。

PRACTICAL

いくらバックパックそのものが軽くても、あれもこれもと詰め込んでしまっては快適に歩くことはできません。ハイキングを長くどこまでも楽しむために、自分には何が必要なのか。その取捨選択をすることもまた、ウルトラライトハイキングの楽しみでもあります。手放すことは簡単ではありませんが、自分にとって衣食住を満たす本当に必要なものを見極めることで身も心も軽くなります。ウルトラライトフリークたちはどんな工夫をしているのか、バックパックの中身を覗いてみましょう。

山と道材木座・京都では週ごとにテーマを設けて、スタッフのパッキング例、装備一式を展示します。背負って軽さを体感できるほか、各スタッフこだわりの道具をご覧いただけます。

オウジの装備例

材木座スタッフのなかでも異彩を放つオウジ(@t.oji.sonoda)がこの春に1泊2日のファストパッキングスタイルで縦走した際の、彼の独特なULスタイルを紹介します。

バックパック:山と道 MINI2 M size ※背面パット無し
ベースウェイト:2.8kg

MINI2の背面パットは取り外し、メインの荷室へフレーム代わりにスリーピングマットを巻いて入れている。その後にパックライナーを入れ、濡らしてはいけない物(シュラフや着替え)を入れて閉じ、食料やクッカー類、その他を上に乗せている。タープ、ペグはバックパックのフロントメッシュポケットにパッキングすることで、テント場に到着したらまず最初に幕営できる状態にしている。雨が降っていても濡れた地面に荷物を展開することなくテントを張ることができる。

左上からパックライナー/バックパック/シュラフ/ウェストポーチ/枕/スタッフサック(インサーレーション上下、着替)/タープ/スリーピングマット/手ぬぐい/レイン上下/ペグ/シュラフカバー/食料・クッカー類/ウォーターキャリー・魔法瓶/エマージェンシーキット・トイレキット/トレッキングポール1本

今回はファストパッキングスタイルでの山行。軽量化のポイントは主に2つ。一つ目はスリーピングシステム。テントは150gのシングルタープ、シュラフは200gを切るUDDダウンの超軽量半シュラフ(エクストリーム5度)、寒さ対策にホットサックをシュラフカバーとして選択。このシュラフカバーは透湿が全くないため結露の問題はあるが、1泊なので気にしない。それよりも温かさを担保した上で質量も抑えて、シュラフとカバーで合計328gという魅力的な軽さになった。

二つ目は食事。食料はドライフード、クッカーは300mlのチタンクッカー 57g、ストーブ12g、風防8g、五徳10g。燃料は固形燃料にして最小限に抑えました。一方で、僕はどんな山行でも胃腸を温めるための温かい飲み物を入れておく魔法瓶を必ず持って行くようにしている。(材木座スタッフ・オウジ)

JOURNALS

ハイキングのフィロソフィーやトレイルログ、国内外のULカルチャーを取り上げてるのが、山と道のメディア「JOURNALS」です。これまでの膨大なアーカイブから、バックパックに関する記事をセレクトしました。お読みになった感想など、ぜひ店舗スタッフまでお聞かせください。さらに、今月後半には新たな記事もリリース予定です。お楽しみに!

山と道JOURNALS編集長の三田が、2018年当初日本のマーケットで入手可能な1kg以下の軽量バックパック各種を背負いまくり、使用感をテスト。山と道のサイトなのに他社のバックパックについて語るというなかなか異例な記事。定番モノから懐かしのモノまで、ラインナップが味わい深い!この続編となる『THE BACKPACK TEST 2023』も現在編纂中です。

USE CASE

今月のハイキングでの山と道製品の着用例をご紹介。自然と共に心も身体も移ろいを感じる季節の変わり目、どっちつかずの空に翻弄されながらも、新たな旅の一歩を踏み出そう。

Model: 171cm / 54kg
Tops: DF Mesh Merino Hoody / Black / M
Bottoms: Light 5-Pocket Pants / Dark Indigo / M
Backpack: THREE / Coyote Brown / Standard / M

上下ともにこれまでの弱点を克服するために開発を続けてきた製品です。DF Mesh Merinoシリーズはウールの弱点を。Light 5-Pocket Pantsは耐久性の弱さの問題を解決するために生地をリニューアルしました。ようやく形になった両製品は、これまで以上に自然の中で心地よい時間を過ごせるように役立ってくれるでしょう。(山と道 夏目彰)

DF Mesh Merino Hoody / Light 5-Pocket Pants 5月29日(月)販売予定

INSPIRATIONS

バックパックの話題に留まらず、これまでのバックパッキングやハイキングにおける歴史的背景や思想を知る上で忘れてはならない名著をご紹介します。山と道直営店でも取り扱っているので、ぜひ手に取ってみてください。

『バックパッキング入門』
芦沢 一洋著(山と溪谷社刊、2018年、1,320円(税込))

1976年に刊行された伝説的なバックパッキング入門書。作者の芦沢一洋氏は、70年代から80年代にかけての日本にバックパッキングやアウトドアライフを紹介したオリジネーターのひとりで、長らく絶版となっていた本書が現在こうして文庫版で手に入ることに山と渓谷社には最大限の賛辞を送りたい。

ただ50年近く前の書籍であり、実践的入門書としてはすでに風化していることは否めないが、本書が現在も懐古趣味以上の意味があるとすれば、それは「Spirit & Mind」と題された文庫版では30ページ以上にわたる素晴らしい序文にある。

環境破壊への警鐘から、『ホールアースカタログ』やビートジェネレーション、ソローやジョン・ミューアの業績と影響を語り、バックパッキングをその末席に置いてその意義と思想を語る筆致は、現在のアウトドアや登山の文脈がまったく見失ってしまったものであり、若い世代は新鮮な驚きを覚えるかもしれない。かつてバックパッキングとは、ハイキングとは、こういうものだったのだ。

だが、その本質はいまもまったく変わらない筈だし、何度でもここに立ち返らねばならないと、この長い長い序文を読むたびに思うのだ。(JOURNALS編集長 三田正明)

PLAYLIST

店舗やオフィスでスタッフが聴いているプレイリストをお届け。曲のセレクトは、山と道のモデルとしても活躍している豊嶋きよらさんです。

5月のテーマは、月間特集に合わせて「Backpacking」です。荷造りしている時から始まっている旅への期待感。必要な物は全部背負って歩いているという安心感や解放感をイメージしながら選曲していただいた全53曲です。月間特集制作スタッフのお気に入りはJeremiah Chiu & Marta Sofia Honer “By Foot By Sea”です。みなさんもお気に入りの曲を見つけてみてください。

公式インスタグラム@yamatomichiでも5月の特集について発信中。

CREDIT

STORES
Hidenori Maehara
Junki Nakamura
Akira Natsume

PRACTICAL
Oji Sonoda

USE CASE
Makoto Fujiyama(TENT SAUNA PARTY)
Akira Natsume

INSPIRATIONS
Masaaki Mita

PLAYLIST
Kiyora Toyoshima

Planning & Editorial
News Desk/ Editorial : Emma Nakajima
Mail Magazine : Yukari Fujita
Journals : Masaaki Mita
Photography:Masaaki Mita, Hikaru Otake
Produce:Yuma Shimoyama
Art Direction:Yosuke Abe
Content Direction : Kiyo Fujishiro
Supervision : Akira Natsume