Hiker's Classics

#8 中川裕司(山と道HLC関西アンバサダー)

文/写真提供:中川裕司
2019.05.16
Hiker's Classics

#8 中川裕司(山と道HLC関西アンバサダー)

文/写真提供:中川裕司
2019.05.16

誰にでもある、思い出の道具やどうしても捨てられない道具、ずっと使い続けている道具。

この『HIKERS’ CLASSICS』は、山と道がいつも刺激を受けているハイカーやランナー、アスリートの方々に、それぞれの「クラシック(古典・名作)」と呼べる山道具を語っていただくリレー連載ですが、今回からは、数回に渡って『山と道HLC』のアンバサダーを勤めていただいている方々のCLASSICSを紹介していきます

山と道HLCアンバサダー第1弾となる今回の寄稿者は、チベットやカラコルム、ラダック等の山での生活文化や風景に魅せられてアウトドアにハマり、旅の経験からアジアや中東各地の手仕事と結びついたアパレルメーカーを経営しつつ、HLCアンバサダーとしても、ハイキングにまつわるイベントを企画、発信している、中川裕司さんです。

ウルトラライトスタイルで野山を駆けめぐり、ハードリカーを飲みながら旅するように山で遊ぶ、愛称「きんにくん」のCLASSICSとは?

NOTE

山あいの暮らしとUL

20代半ば、カメラをぶら下げて、長い時間をかけて海外を放浪し、その多くをチベット文化圏やインドの山奥、北パキスタンなどで過ごしました。興味があった文化圏の生活は、山あいだったせいか、どこでもシンプルだったし、合理的でした。

帰国して、アウトドアフィールドへのアプローチは間もなくでしたが、ことULカルチャーに足を踏み入れるまでは長くかかりました。性格から、今で言うインフルエンサーのブログ(SNSは当時ほぼない)などもチェックしていなかったですし、メディアにも疎かったのも原因だったと思います。ギアに対しても、運よく出会った人たちの見聞を鵜呑みしている部分が強かったです。

その運よく出会った人の中に、その後、大いに関わることになる豊嶋秀樹さん(山と道HLCディレクター)がいました。豊嶋さんとの出会いから、山と道代表の夏目彰さんとの出会いもありました。そこから急速にULへの意識が変わっていったように思います。

より軽く、より遠く、身軽に歩き、走るという手段以上に、生活に落とし込んだ、いわばライフスタイルとしてのULが、自分の中で腑に落ちた気がしました。冒頭で述べた、旅で出会ったシンプルで合理的な、山あいの丁寧な暮らしとも結びついた気がしました。

旅するように山をいく

山を旅するような感覚が好きで、歩いたり走ったりしながら、煮炊きし、大好きなハードリカーと焚火をやりながら、野と寝る。長く自然に身を置きたいと思うし、それを仲間と共有するのもまた格別だと思います。さらに目標やテーマ、ゴールを決めておくと、なお楽しい。もちろんうまくいかないこともあるけれど、次回の課題や楽しみが増えます(笑)。

例えば、前厄だった去年、大峯奥駈道という修験道のロングトレイルを厄祓いで熊野本宮大社までファストハイキングで縦走しました。本厄となる今年は、高野山から熊野本宮大社までを繋ぐ小辺路をランで抜け、そのまま那智の滝(熊野那智大社)を経て、勝浦の海までと思っていましたが、雨の影響と、同行者の体調不良もあって熊野本宮大社でDNFとしました。諦めるに至るその過程や、その後の楽しみ方も含めて、トラブルにどう対処しマネージメントするかが、旅の醍醐味だと思っています。

長く使える道具を選ぶ

ギアを選ぶ際に、軽さや、使い勝手と同じく大事だと思っていることは、長くつきあえるかどうかです。アウトドアでは大切に使えど、手荒になるのは必至なので、修理が可能な道具かどうかも大きな基準にしています。愛着がある道具が増えるのは幸せだと思います。限られたお金は、道具を買うよりもフィールドに赴くことに使いたいのです。

Yuji Nakagawa’s CLASSICS

山と道 / MINI

持っている人の大勢が、こういう企画があればチョイスするのではないかと思います。ULを意識しはじめた人が、テント泊想定でこれにパッキングして収めるのを目標にすればちょうど良いサイズ感で、慣れてくれば夏山シーズンなら5〜6泊でも普通にできる、万人に好まれる名作だと思います。もちろん見てくれも、使い勝手も良いです。

Patagonia / Micro Puff Hoody

化繊でありながら、ダウン並みの保温力。スリーシーズンならば、インサレーションはコレひとつに頼ってるといっても過言ではない。雪や雨が絡む2泊以上の山行の場合、さほど気を使わずに携帯、着用できるのは◎。できれば寝袋とパンツも作って欲しいと熱望しています。

Luna Sandals / Leadville

2011年から2018年まで修理しつつ、山行を中心にあらゆるシチュエーションで使い込んだ僕の青春のサンダルでした。グリップ力も厚みもまさに自分には絶妙で、どんなサーフェイスでも信頼して使っていました。未だ続く青春を共にする、継ぎのサンダルも定まらぬところ、何かのタイミングでまた出会えることを夢みています(笑)。

Petzl / e+lite

ポケットに入れても気にならないサイズ感で、決して非常用などではなく、夜間ハイキングでも充分使えるルーメン数を備える。トレランのレースなどでは必携装備の中に、予備のヘッドライトとその予備バッテリーということも少なくないが、本体の軽さに加えて、ボタン電池というところも◎。LEDの性能も上がり、後継モデルに軍配があがるのかもしれないが、全く負担にもならないので、災害対策用も兼ね毎日持ち歩いてる。

Hillberg / Tarp 5 UL

自在とガイライン込みで320g。面倒臭がり屋の人でも設営がすごく楽なうえ、低く平らに張れば、3人が寝れそうな広さ。6点を地面にペグを落とせば、ツエルトのような使い方もできます。夜間の通り雨の中、10人以上で楽しく雨宿りしたこともあります。汎用性が高く、自然との対話が容易なタープ泊は1番好きなスタイルです。

山と道 / 5-Pocket Light Shorts

ここぞという場面の定番になっています。製品登場からは間もないですが、ロングハイクや、トレランのレース等で毎回チョイスしています。短めの丈にサイドスリット、ストレッチ性もあるので、足上げがストレスフリーなうえ、定番の5ポケットでカジュアル感もあり、速乾性も充分。街からハードコアからなんでもこいなこの感じがたまらなく良いです。

ダイヤ印 / 酒タンポ

お酒を燗するための道具です。約40gと重さも気にならないうえ、美味しい熱燗を頂けます。お酒に直火はいちばん危険で、不用意に温めると大事な香りやアルコールも飛んでしまいます。ロケーションでなんでも美味しくなるといいますが、酔わないお酒はやっぱ嫌だし、せっかく重い思いして運んだアルコール分は飛ばしたくない(笑)。 山でも美味しいお酒を飲みましょう。

Sora Titunium Gear / Super Naturestove

旅には、焚火とお酒とお友達がいたら幸福度が倍増しますよね。もちろん煮炊きにも使いやすいし、軽量性と携帯性と燃焼効率のバランスで、山行にはだいたいコレをチョイスしてます。焚火が好きなので、僕はカーボンフェルトもしっかりメートル買いしていてます(笑)。

山と道 / MINI

持っている人の大勢が、こういう企画があればチョイスするのではないかと思います。ULを意識しはじめた人が、テント泊想定でこれにパッキングして収めるのを目標にすればちょうど良いサイズ感で、慣れてくれば夏山シーズンなら5〜6泊でも普通にできる、万人に好まれる名作だと思います。もちろん見てくれも、使い勝手も良いです。

Patagonia / Micro Puff Hoody

化繊でありながら、ダウン並みの保温力。スリーシーズンならば、インサレーションはコレひとつに頼ってるといっても過言ではない。雪や雨が絡む2泊以上の山行の場合、さほど気を使わずに携帯、着用できるのは◎。できれば寝袋とパンツも作って欲しいと熱望しています。

Luna Sandals / Leadville

2011年から2018年まで修理しつつ、山行を中心にあらゆるシチュエーションで使い込んだ僕の青春のサンダルでした。グリップ力も厚みもまさに自分には絶妙で、どんなサーフェイスでも信頼して使っていました。未だ続く青春を共にする、継ぎのサンダルも定まらぬところ、何かのタイミングでまた出会えることを夢みています(笑)。

Petzl / e+lite

ポケットに入れても気にならないサイズ感で、決して非常用などではなく、夜間ハイキングでも充分使えるルーメン数を備える。トレランのレースなどでは必携装備の中に、予備のヘッドライトとその予備バッテリーということも少なくないが、本体の軽さに加えて、ボタン電池というところも◎。LEDの性能も上がり、後継モデルに軍配があがるのかもしれないが、全く負担にもならないので、災害対策用も兼ね毎日持ち歩いてる。

Hillberg / Tarp 5 UL

自在とガイライン込みで320g。面倒臭がり屋の人でも設営がすごく楽なうえ、低く平らに張れば、3人が寝れそうな広さ。6点を地面にペグを落とせば、ツエルトのような使い方もできます。夜間の通り雨の中、10人以上で楽しく雨宿りしたこともあります。汎用性が高く、自然との対話が容易なタープ泊は1番好きなスタイルです。

山と道 / 5-Pocket Light Shorts

ここぞという場面の定番になっています。製品登場からは間もないですが、ロングハイクや、トレランのレース等で毎回チョイスしています。短めの丈にサイドスリット、ストレッチ性もあるので、足上げがストレスフリーなうえ、定番の5ポケットでカジュアル感もあり、速乾性も充分。街からハードコアからなんでもこいなこの感じがたまらなく良いです。

ダイヤ印 / 酒タンポ

お酒を燗するための道具です。約40gと重さも気にならないうえ、美味しい熱燗を頂けます。お酒に直火はいちばん危険で、不用意に温めると大事な香りやアルコールも飛んでしまいます。ロケーションでなんでも美味しくなるといいますが、酔わないお酒はやっぱ嫌だし、せっかく重い思いして運んだアルコール分は飛ばしたくない(笑)。 山でも美味しいお酒を飲みましょう。

Sora Titunium Gear / Super Naturestove

旅には、焚火とお酒とお友達がいたら幸福度が倍増しますよね。もちろん煮炊きにも使いやすいし、軽量性と携帯性と燃焼効率のバランスで、山行にはだいたいコレをチョイスしてます。焚火が好きなので、僕はカーボンフェルトもしっかりメートル買いしていてます(笑)。

中川裕司 

中川裕司 

山と道HLC関西アンバサダー/『山道具谷ノ木舎』店主。 カメラを片手に放浪中、チベットやカラコルム、ラダック等の山岳民族の生活文化や、その圧倒的な風景に魅せられて、アウトドアカルチャーにハマっていく。 旅の経験からアジアや中東各地の手仕事と結びついたアパレルメーカーを経営しつつ、2020年4月に山道具屋、『山道具 谷ノ木舎』をオープン。 持ち前の機動力を活かして、ウルトラライトスタイルで野山を駆けめぐり、ハードリカーを飲みながら野営するのがいちばんの大好物。 ニックネームは『きんにくん』。