5-PocketシリーズにおけるC0 DWRへの移行について
2025年春夏より、5-Pocketシリーズの撥水加工を従来のC6 DWRからC0 DWR(PFAS Free)へ順次、移行します。
山と道では、これらの撥水加工の長所と短所を総合的に把握し、製品の機能性と耐久性を見極めながら、製品ごとに最適な撥水加工を選択していきます。
これまでの撥水加工:C6 DWR
従来のC6 DWRは、レインウェアやバックパック、パンツやショーツの行動着など、多くの山と道製品で採用してきました。C6 DWRは、C8 DWRから環境負荷の少ない素材として開発され、より速やかに自然分解しやすい特性を持っています。優れた撥水性に加えて撥油性能(油を弾く力)があり、水分を弾くだけでなく着用時の汚れや皮脂による性能劣化が生じにくいのが特長です。しかし、C6 DWRには有機フッ素化合物(PFAS)が微量ながら含まれており、自然環境の中で分解されにくく放出された場合、大気や河川、土壌などに長期間残留することが環境上の懸念となっています。
これからの撥水加工:C0 DWR
C0 DWRは、PFAS不使用の撥水加工でありながら、C6 DWRと同等の撥水性能を有しています。初期の撥水性に大きな差はありませんが、撥油性がないため、繰り返し着用し皮脂や汚れが付着すると性能が低下しやすい傾向があります。PFASによる環境上の影響は少ないものの、特にテクニカル製品では生地の劣化や機能低下が早まり、結果的に寿命の短い製品になるという課題が残されています。
撥水加工 | 撥水性 | 撥油性 | 環境 |
---|---|---|---|
C6 DWR | ◯ | ◯ | × |
C0 DWR | ◯ | × | ◯ |
山と道の選択
C6 DWRとC0 DWRはそれぞれ長所と短所があり、現時点でどちらか一方が全面的に優れているとは言えません。今後も、私たちが求める品質と機能、耐久性を重視した物作りに基づき、状況に応じた適切な判断と選択を行なっていきます。
今回対象となる5-Pocketシリーズは、生地の耐久性が高く、撥油性に関する性能低下の影響が限定的であることから、C0 DWRへの移行を選択しました。