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ぼくの台湾歩き旅

#2 準備編:荷物のUL化と自分で作った道具

旅人・佐々琢哉のUL的台湾徒歩旅行
文/イラスト/写真:佐々琢哉
2025.03.07
ぼくの台湾歩き旅

#2 準備編:荷物のUL化と自分で作った道具

旅人・佐々琢哉のUL的台湾徒歩旅行
文/イラスト/写真:佐々琢哉
2025.03.07

世界60ヶ国以上を旅してきた旅人、馬頭琴やカリンバを奏でる音楽家、ローフードやベジタリアン料理の研究家、パステル画家など様々な顔を持ち、現在は高知県の四万十川のほとりで自給自足やセルフビルドの暮らしを送る佐々琢哉さん。そんな彼が、旅歴25年にしてUL化。軽くなった荷物で、2024年に台湾を2ヶ月かけて歩いて旅をしました。

歩き旅だからこそ出会えた台湾の様々な人々や暮らしをめぐる彼のエピソードは大変興味深く、またそんな彼がUL化したら、一体どんなことを感じて、どんなことが起こるんだろう? それが知りたくて、この山と道JOURNALへの寄稿をお願いしました。

前回のプロローグ編に続く準備編として、今回は佐々さんが旅の装備をどう軽量化していったのか、そしてULに刺激され自作した道具を紹介。ついでにこの連載の裏方である山と道JOURNAL編集長の三田と編集を務めている日野藍もちゃっかり登場。今回も佐々さんの話にお付き合いを。

山と道を知った経緯

台湾行きの荷造りのお話をする前に、ぼくがUL、さらには山と道を知った経緯についてもお話したいと思います。山と道直営店である台北のsamplusを訪ねたのが台湾の旅のはじまりでもあったので、ぜひ!

日本を発つ数日前に、山と道JOURNAL編集長の三田君と鎌倉で再会した。三田君とは、かつて『マーマーマガジン』という雑誌の記事を一緒に作ったことがあり、最後に会ったのは、2009年末。ぼくがニュージーランドに旅立つ直前に一緒に打ち合わせをして以来だった。

14年ぶりの再会は、待ち合わせの山と道鎌倉からランチのカレー屋さんへと歩きながら、「あの時は、ニュージーランドと日本間のメールだけで記事を作ったよね」と、当時を懐かしむところから始まった。

2010年3月発行の『マーマーマガジン no.8』。『山と写真の男 三田正明 歩いてハイになる』という三田くんの記事もある。(編注:この号では、巻頭特集を三田が構成と編集を手掛けました)

2010年に三田君と一緒に作った『マーマーマガジン』の記事『超エコ男子 ささたくやの一日』。イラストも三田君。(編注:当時、編集作業中に佐々さんがパーマカルチャーの勉強にニュージーランドに旅立ってしまったため、メールでもらっていた「こんなことがやりたい」というアイデアのメモを元に、三田が記事を作りました)

その後も電話でぼくたちを繋いでくれた編集長の服部みれいさんとも懐かしい話をたくさんした(ちなみに、『マーマーマガジン』の名付け親は三田くんであるらしい)。

三田くんとこうして久しぶりに繋がれたのも、山と道のHLCやJOURNALに関わっていて、この記事の編集もしてくれている藍ちゃんのおかげだ。彼女とは四国で知り合って、2023年に一緒に2冊の本『TABIのお話会』『暮らしの影』を作った。「UL」や「山と道」といった単語も、藍ちゃんから教わったようなものだ。ある時、彼女から「そういえば、三田正明さんって琢哉さんの知り合いやろ? 今、私一緒に山と道のお仕事してるんよね」と聞きいつかまた会いたいと思っていたところ、彼女が三田くんにコンタクトを取ってくれて実現したわけである。藍ちゃん、ありがとう!

三田くんと鎌倉で14年ぶりの再会!

ぼくの本の制作時の一コマ。編集してくれた藍ちゃん(左)と、お隣(右)は印刷を手掛けてくれた愛媛松山の松栄印刷の桝田屋昭子さん。

三田くんに近況報告をしばしした後に、「四国遍路がとてもよかったから、台湾でも同じように歩き旅ができないかと思っているんだ」と相談すると、「自転車で旅したことがあるけど、コンビニがどこにでもあって便利だったよ」という言葉。四国遍路でもコンビニに随分お世話になったことを思い出し、「なんだか、歩き旅ができそうなイメージが近づいてきたぞ」と安心感を抱きました。

自分で作るのがいちばん格好良くてイケてる

この時点でぼくには旅にまつわる台湾の情報が全くありませんでしたが、こんな感じで台湾に行ったことある人に尋ねながら、旅のイメージをちょっとずつ手繰り寄せていきました。

前回の記事では「情報収集を全然やらなかった」と書きましたが、インターネットでの情報収集のことで、現地に行ったことがある人からの話は聞くようにしていました。情報収集という意味もありますが、その人の旅の物語を聞けるなんて、楽しいから大好きなんです。

続いて、ULについても質問。
UL初心者のぼくには、知りたいこと、疑問に思っていることがたくさんありました。三田くんはそんなぼくにULのDIY精神の歴史から語ってくれて、最後に一言。

「なんだかんだ言っても、自分で作るのがいちばんかっこよくてイケてるよ!」 

Wow! この言葉に、ぼくの気持ちはどれだけ軽やかになったでしょう。というのも、当時のぼくはULという未知の世界の情報の沼にはまってしまっていて、ネットやYouTubeの動画をいくら見ても何が正解かよく分からず、気が重くなっていた部分もあったのです。

なんなら、「ぼくには今までずっと旅してきたスタイルがあるし、それで上手いこと楽しくやってきたのだから、今更、わざわざお金も時間も使いながらスタイルを変える必要もないのでは?」と、UL化への苦悩から、そんな開き直った気持ちにもなっていたのでした。

正直に告白すると、旅の情報は調べなかったのに、荷物を軽くして行こうと決めてからはULギアのことを知るのが楽しくて、ギアの情報はネットでいっぱい調べて情報過多になっていたのでした(読者の皆さんも、改めて三田くんの『チープハイク』という記事をぜひ読んでほしい。UL化にあたってのこんな悩みに対して、勇気をたくさんもらえます!)。

でも、DIYということなら今回のパッキングの中にも自分で作ったものがあるぞ! ぼくの欠かせない旅道具であるモンゴルのお隣のトゥバ共和国の弦楽器「馬頭琴(現地の名前ではイギルと言います)」と、親指ピアノとも言われるアフリカの楽器「カリンバ」のケースとバッグです。ぼくは、20代の頃は旅先の街角でこれらの楽器を演奏してお金を稼ぎ、現在も各所で演奏会をしており、今回も旅先で演奏をしたいと思っていました。旅先でひとり寂しい時も、楽器があれば楽しい気持ちになったものです。ぼくにとって楽器は、旅のいちばんの友なのです。

カリンバの収納には、靴作りの経験を生かして自作した革のケースをずっと使っていましたが、今や、気になるのは格好良さよりも重さ。ULの視点では革は旅に重いということで、ホームセンターで買ったプラスチック製の養生マットで箱を作り、このままだとあまりにも見た目が悪いからと、和紙を貼って柿渋を塗りました。これで、軽さとまだ手放せぬおしゃれ心が両立! いやいや、おしゃれも大事な機能のひとつですよね。

左が皮で作った古いケースで、右が養生マットで作った新しいケース。手前は素材に使った養生マット。

そして、馬頭琴用のバッグは、図らずもひとり二役の機能性を持つものができました。前回お話したお遍路時にもバックパックのサイドポケットに馬頭琴を挟んで四国一周したのですが、その時は、縫い物上手の友人に頼んでビビィサックをアップサイクルしてもらった専用の防水バッグに馬頭琴を入れていました。今回は、そのバッグを思わぬことからアップグレードすることができたのです。

それはこんな経緯でした。ぼくはスリーピングマットといえばエアマット派でしたが、どうしても旅中に穴が空いてしまいます。空気が抜けたマットで寝るととても寒いし、リペアキットで補修してもどうしてもうまくいかない…。そこで今回は、新たな試みとして山と道のUL Pad 15+(100cm)を通販で手に入れました。しかし、いざ届いてみると思ったよりデカい! パッキングを試してみても、それまでのエアマットのコンパクトさとの違いに困ってしまいました。通販で買い物するって、ほんと難しい…。

ですが、ふと「これだけ軽くてクッション性があるなら、馬頭琴ケースの緩衝材にはちょうどよさそう」と思いつき、馬頭琴バッグに何気なく突っ込んでみたところ、サイズがピッタリ。しかも寝るときは引っ張り出して、スリーピングマットとしても使える! やった、これで納得の適材適所を見つけることができたぜ! すっきり! 

この勢いで、馬頭琴バッグのパックライナーも作りました。参考にしたのは、山と道のPack Liner。バックパック自体が濡れるのは仕方ないので、中のパックライナーでしっかりと防水するという考え方を応用したのです。もう10年以上も前にニュージーランドの国立公園をトレッキングするときに買ったバックパック用のライナーを解体して縫ったら、ライナーバッグも完成。馬頭琴バッグの開閉方法も、バックパックなどの構造を参考に紐で縛る方式からロールトップ方式に変えて防水性もアップ。馬頭琴バッグ・バージョン2の完成だ!

自作した馬頭琴ケースのセット。

ロールトップ型にバージョンアップした馬頭琴ケース本体。パッキングするとこんな感じで水も衝撃も安心。嵩張るからと一度は諦めようと思っていた分厚いスリーピングマットで、「毎晩快適に寝れる!」と喜んだ。

確かに、自分で作った道具を担いで旅するのは、なんだか自慢したいような、胸を「えへんっ!」と張りたいような気持ちになる。自分で作った道具は勝手がわかっているので、壊れたっていくらでも自分で直せる。もちろん、機能としては既製品よりも劣ることは多々あるだろうけど。

そして旅をしていると、いろいろなシチュエーションで「もっとこうした方が使いやすいだろうな」と気付くことがある。そしたら、その度にアップグレードしていけばいいだけ。だから、裁縫道具もいつも旅道具として持ち歩いています。そうやって手作りの道具をブラッシュアップしながら、自分自身の感覚も研ぎ澄まされて共に成長していくのも、もうひとつの旅路ではないか、と思いました。こんな手作りギアに対するあれやこれやが、三田くんがニンマリと「いちばん格好良くてイケるよ」と言っていた理由だろうか?

台湾歩き旅の道具紹介

さて、とても恥ずかしいけど、今回の台湾出発時のギアリストをお見せしつつ、解説します。

【行動中の衣類】

1月に日本を出発した時の格好です。台湾も意外にも寒く、この格好でちょうどよかったです。山の標高が高いところは、これでは寒いぐらいでした。トランクス、ソックスの替えは持って行きませんでした。

(左上から)
スノーピーク:フレキシブルインサレーテッド カーディガン
四国遍路を歩いた3〜4年前の寒い日に、通りがかりのお店で購入。街着にもおしゃれな形が気に入っているが、首元が寒いのでスカーフと併用。

えみおわす:ポケットシャツ
コットン製。大きな胸元のポケットが便利で安心。民族衣装っぽい形が好き。

山と道:DF Mesh Merino Long Sleeve
軽いしすぐ乾くので重宝しました。メリノ混紡で着心地もよい。

フーディニ:メンズペースエアータンク
ノースリーブが好きです。肩周りが窮屈だったり空気の抜けが悪かったりするTシャツは苦手。

山と道:5-Pocket Pants
ポケットの収納力に感動しました。おかげで、手ぶらで気持ちよく行動することもよくあったし、座っても寝ててもお尻のポケットが干渉しないので、野宿や交通公共機関での移動時も大事なパスポートやお財布などを入れたままで安心して寝ることができました。

山と道:Light Alpha Tights
これまた、軽くて速く乾くので良いです。ちなみに、今までベースレイヤーにはモンベルのスーパーメリノウール中厚手の上下を着ていました。

ブリング:ワンダーウェアーワン 50/50
噂の4日間はけるパンツ1枚で、2ヶ月旅しました。洗濯は夜にして、ノーパンでショーツを履いて一晩を過ごしていました(笑)

モンベル : カミコ トラベル 5トゥアンクルソックス
歩いていても蒸れずにサラッとしていて、臭くなりませんでした。5本指ソックスは、指を自由に動かせるので好きです。1日のはじめの着用にはストレスを感じませんが、行動で靴下が少し蒸れている時や川泳ぎの後などの脱ぎ履きは足指にひっかかって、ちょっとめんどくさかったです。

【就寝中やその他の衣類】

(右上から時計回りに)
山と道:100% Merino Light Henley
(写真では袖を切った状態)就寝時用の着替えに。普段ベースレイヤーはノースリーブばかり着ていますが、今回、長年実践しているヴィパッサナー瞑想の台湾センターへの滞在予定もあったため、着替えに半袖を持っていきました(瞑想センターでは肩を出してはだめなのです)。が、やはり袖があるのに慣れず、瞑想センター滞在後に袖を切ってしまったので現在はノースリーブです。

フーディニ:メンズワディショーツ
就寝着や水着としても兼用。

無印良品:インド綿細番手マルチクロス
インド綿のハンカチをふたつ縫い合わせた物。乾きも肌触りもよく、タオル・スカーフ・枕カバーの3用途で使用。スカーフは、防寒、おしゃれアイテムとしてぼくにとって重要度が高いアイテムです。大きな布が1枚あると、いざというときのバッグとしての風呂敷や、ベルト、日除けなど、さまざまに活用できるので、大判スカーフは旅にいつも持っていきます。

ブリング:ワンダーウェアソックス
就寝時、寒い時のためのウールのソックス。

omotesando atelier :タイトフィットニット
ニットキャップは、おしゃれアイテムとしても大好きです。旅先は、暑かったり寒かったり色々なので、ウールではなくて綿のニットキャップを選ぶようにしています。

モンベル:サウスリム ハット
歩いている時の日除けに。キャップよりハットが好きです。

【雨具】

(上)フーディニ:ザ・オレンジジャケット
雨具、防寒、防風用に。オレンジくらいの大きさで、軽く小さく、ポケットにも入る携帯性がよく活躍しました。

(下)アクシーズクイン 凌:ツユハラヒ
今回はレインパンツの代わりにレインスカートを選びました。先述のスカーフと同様、大きな布1枚なので、バックパックカバー、グランドシート、テントの拡張などアイデア次第で色々と使えて楽しかったです。

【靴・サンダル】

(左)ビボベアフット:トラッカーデコンロ FG2
すっかりベアフットシューズの虜です。今回、アスファルトのロード歩きも多かったのですが、クッションがなくても全く問題なかったどころか、指先で地面を掴む感覚を掴み始めてからは足本来の機能をフルに使って歩いている感じが、脳まで刺激されているようで気持ちよかったです。また、とても軽いので、サンダル着用時でも持ち運びのストレスにならないのもよかったポイントです。

(右)ゼロシューズ:アクアクラウド
サンダルも、以前は立派なビブラムソールがついたものを履いていましたが、それだけでも随分と重かったよなと思います。靴を変えると、体感ですぐ変化があるので、物事への考え方もダイレクトに影響されて面白いです。

【クッキングシステム】

(上段)
ニュージーランドの自然食品屋で購入したメッシュバッグ
スプラウツ・バッグとして、バックパックの中で豆類を発芽させるためのもの。方法は、今後の記事で紹介していくのでお楽しみに! もともとの用途は、スーパーなどの買い物で果物や野菜を自分で小分けにして入れるためのもの。

(中段左から)
エバニュー:ブルーノートストーブセット
アルコールストーブ。現地で燃焼用アルコールを売っているお店を見つけるのが大変でした。ガスは見つけやすかったので、ガスストーブにしたらよかった。

エバニュー: アルコールボトル ダブルキャップ 30ml
アルコールを小分けして持ち運ぶために持っていきましたが、現地では結局900mlなどの容量のボトルを買って持ち運ばなければいけなかったので、長期の旅にはアルコールストーブは難しいのかなと思いました。

チタンマニア: チタン製折りたたみスプーン
バナナやアボカドなどを切りやすい金属製のものを長年愛用しています。

(下段左から)
エバニュー:チタンマグポット500
ひとり用のクッキングにはちょうどよいサイズで気に入っています。チタンだと、熱いものを注いで飲んでも火傷するほどに熱くないところもよいです(ポイントは、注ぎ口に口を当てることです)。
※温度耐性は個人差がありますのでご注意を。今まで他の金属クッキングウェアで、唇を火傷した経験が多々あります。

エバニュー:アルコールストーブ用スタンドDX
五徳兼風防。焚き火台としても活躍しました。

自作:プラスチックのまな板
なるべく自炊したり、生の果物や野菜を食べたいから、ダイソーのプラスチックまな板をクッカーにはまるサイズにカットしたものを持ち歩いています。

【文房具、ガジェット類と洗面用具】

(上段左から)
①ケース ダイソー:ファイルケース(ダブルジッパー、A5)
B8の鉛筆、鉛筆削り、消しゴム、3色ボールペンを入れています。

②ノート モレスキン:カイエジャーナル
日記とスケッチ用の無地のノート。書き心地がよくて好きです。紙も丈夫なので旅で長期持ち歩いていてもへたらないところもポイント。
 
③色鉛筆 無印良品:色鉛筆 12色
適度な芯の柔らかさが気に入っていますが、普段家で使って描いているパステルのようにもっと描いていて気持ちいい旅の画材はないものかと未だに模索中です。

④モバイルバッテリー TNTOR:モバイルバッテリー 10,000mA
藍ちゃんが旅の餞別にプレゼントしてくれました。なんだかんだ、10,000mAあると安心でした。もともとは、山と道鎌倉スタッフのおーじくんオススメだったようです。

⑤アダプター  アンカー:ナノⅡ 45W
充電用アダプターと充電コード。なるべく小さく軽いもので。

⑥ヘッドライト ナイトコア:NU25 UL 400ルーメン
Type-C対応の充電式のヘッドライトです。

(下段左から時計回りに)
⑦ポーチ モンベル:トラベルキットパック M
以下のものを収納していました。

⑧浄水器 ソーヤー :マイクロスクィーズフィルター
浄水器を使って飲水を確保する機会が結構あり、このおかげで携行する水の重量が少なく済んでよかったです。街中でも、水道の水が気になる時に使用。生きるのに必要なきれいな水を与えてくれるアイテムで、持っていると安心のお守りみたいな存在です。

⑨裁縫道具 無印良品:携帯用ソーイングセット
中を自分の必要なもの(太い針、まち針)や、よく使う色の糸に変えて入れています。

⑩スイスナイフ ビクトルノックス:ネイルクリップ 580 T
爪切り、やすり、ハサミ、ナイフの必要最小限で、どの機能も旅中に大活躍。料理もこちらで。木目調の外観にひかれてこちらのタイプにしましたが、とげぬきピンセットがついていないのを購入時に見落としていました(ベーシックな赤のプラスチックカバーのタイプなら、装備されていたよう)。

⑪アイマスク、耳栓
このふたつはいつも旅にもっていきます。飛行機など、夜間の移動に活躍。睡眠、大事。

⑫櫛
髪が長いので、風呂上がり後は櫛で梳かして水気を切ると乾きが早いです。

⑬ノバスコシアフィッシャーマン:レスキューバーム
1本で、傷、リップ、保湿に使える「なんでもクリーム」としてとても便利でした。

⑭歯ブラシ
、フィルムケースに入れた塩
塩は歯磨き粉、料理用、石鹸として。フィルムケースは密封性もよく、ちょうど良い容量なのですが、今では見つけるのが難しくなりましたね。

⑮絆創膏 
バンドエイド:キズパワーパッド
傷口にこれを貼ってしまえば、怪我した後の煩わしさも少なく、重宝しています。

【バックパックの中身全て】

①バックパック 山と道:MINIPack Liner
MINIを手にしてから旅の世界観が変わりました。最初に選んだ理由は、「仕事の出張時にも、オフの日の街歩きにも使えること」硬い背面パッドがないから「クルクルと丸めてメインの大きな鞄に入れ、セカンドバック使いができること」でしたが、UL化で荷物がだいぶすっきりとしたおかげで、いまではMINIひとつでどこにでも行くようになりました。バックパックのチョイスって、その人の旅のあり方を象徴しているようです。

②グランドシート デュポン:タイベック Rシルバー 1×2m
しっかりした素材じゃないといけないと思っていましたが、こんなに軽くてペラペラで大丈夫なのですね。

③スリーピングマット 山と道:Minimalist Pad(バックパック付属品)
就寝時はこちらを下半身に、上半身には日中馬頭琴ケースに入れていたUL Pad 15+を取り出し、2枚をジョイントして使いました。

④テント シックスムーンデザイン :ゲイトウッドケープ
ポンチョにもなるフロアレステント。雨天時には、背中に背負った大事な楽器もすっぽり被れて歩けるので良いのではないかと思いこちらを選択。初めてのフロアステントだったので、実際に使うまでドキドキしました。実際の使用感はいかに…? 

⑤スタッフサック 山と道:Stuff Pack XL
主に食料とクッキングギアを入れていました。

⑥調理用具

⑦ショルダーバッグ モンベル:U.L.モノショルダー L
滞在時のお出かけや街歩き用のセカンドバッグに。スケッチブックと水筒を持ち歩ける大きさです。

⑧バッグインバッグ 無印良品:ナイロンメッシュバッグインバッグ A4
サイズが⑦にピッタリ。さらには、バックパックMINIのフロントポケットにもピッタンコ! 小分けのポケットのおかげで、荷物がフロントポケットの中で下に落ちて溜まらないので、物が取り出しやすく、ストレス軽減に。さらには、川での衣類や野菜の洗濯カゴにもなるよ!

⑨文房具&ガジェット

⑩洗面用具

⑪モスキートネット シートゥサミット:ナノモスキートピラミッドネットシングル
日本の夏のように蚊が多いのかなと思って持っていったけど、実際には1月〜2月の台湾ではほとんど使いませんでした。

⑫寝袋 ハイランドデザイン:ダウンバッグ
キルト型ダウン寝袋で、閉じたり広げたりしていろいろな気候に対処できてよかったです。

⑬洗濯ネット
家で普段使っているものですが、メリノ製品の洗濯の他、普段は衣類と雨具をまとめて入れたり、就寝時にはスカーフを巻いて枕としても使ったりしていました。球形なのでパッキングや枕のための整形にも調子が良かったです。

⑭カリンバ
日本人の作家、BUNさんの作品。大学卒業後の旅に出るタイミングに手に入れてからの20年来の旅の友。ショルダーバッグにも入るため、いつも持ち歩いている。びっくりなことに、このサイズでも生音でライブができるクリアな音質。

⑮水筒 サーモス: 真空断熱チタンボトル
以前に中華圏を旅したときに、公共の場所でどこでも給湯器があってお湯が汲めたので、台湾でもそうかな? と思い持参することに。実際もその通りで、とても役に立った! ただ、蓋がコップタイプで不便だったから、水分補給をめんどくさがってしまうことも。ワンタッチ開閉式の蓋の方が歩いていたり、乗り物の中でも飲みやすくてやっぱり便利でした。山行時は、現地で手に入れたペットボトルを持って行っていました。

⑯トレッキングポール Zパックス: ミニマリストトレッキングポール
お遍路のなごりで、1本杖で歩くのが好き。テント設営時にも使用。

⑰馬頭琴一式(弓、チューナー、松ヤニ)
ケースに先ほどのUL Pad 15+を含みます。馬頭琴と旅して演奏したおかげで、たくさんの素敵な出会いがありました。20代は馬に乗って旅していたのが、今はこの馬を担いで旅しているのが、なんだか愉快なところ。馬とご縁がありますね。

⑧の無印良品ナイロンメッシュバッグインバッグを入れた⑦のモンベル・U.L.モノショルダー LがMINIのフロントポケットにシンデレラフィット!

パッキング完成図。
馬頭琴をサイドに付けられるよう、MINIにアタッチメントもプラスした。

さあ、荷重を測ってみます!

お遍路時に、16〜18kgを背負っていたことを考えたら、なんたるUL化!

5.45 kg! それでいて、キャンプ、自炊、スケッチ、馬頭琴にカリンバといったやりたいことの全てが揃っています。これは、び・っ・く・り! 
ちなみに、スケッチ用具と楽器を抜いた重さ、いわゆるベースウェイトは3.7Kgでした!

ちなみに、ここには食料は入れていませんが、遠出の時の栄養源にはいつも、

・バターコーヒーのパウダー
・ビーツのパウダー
・スピルリナ、クロレラの錠剤
・長沢オリゴ

を携帯しています。今回の台湾旅にも、これらをジップロックに小分けにして持っていきました。

背負ってみて、「これは軽い!」と、旅歴25年の中で経験したことのない軽さを体感すると同時に、このミニマムさに己の芯がカチッと定まったような感覚がありました。

さあ、準備は整い、いよいよ出発です。行き先も特に考えていませんでしたが、出発前に、三田くんと藍ちゃんに「台北に行ったら、まずはsamplusに行ったらいいよ。samplusのヘクターやその弟で山と道JOURNALのデザインやイラストを手掛けているコー君、HLC台灣のリンさんに台湾のこと、山のこと、歩き旅のことをいろいろと尋ねてみたらいいよ」と教わりました。よし、まずは空港からまっすぐsamplusを目指そう。
いい感じに、自ずと目的地が立ち現れてきたぞ。その流れに乗って行こう!

【#3に続く】

佐々琢哉

佐々琢哉

1979年東京生まれ。世界60カ国以上の旅の暮らしから、料理、音楽、靴づくりなど、さまざまなことを学ぶ。2013年より、高知県四万十川のほとりへ移住し、土地に根ざした暮らしを志す。2016年にはローフードのレシピと旅のエッセイ本『ささたくや サラダの本』を刊行。2020年夏からパステル画を描き始め、2023年にはそれまでの旅を綴った『TABIのお話会』、四万十の日々の暮らしの風景画の作品集『暮らしの影』を自費出版する。