社是としてスタッフには「ハイキングに行くこと」が課される山と道。「願ったり叶ったり!」と、あちらの山こちらの山、足繁く通うスタッフたち。この『山と道トレイルログ』は、そんなスタッフの日々のハイキングの記録です。今回は、山と道京都スタッフ「アンディ」こと安藤優作が、社内の「ULハイキング研修制度」を利用して「東海道自然歩道」の一部を320km歩いた記録をお届けします。
安藤にとって初めてとなるロングハイキング。ULハイカーとして徹底的に軽量化するぞ! と意気込んで準備を進めるものの、経験の少なさが仇となり、一度は敗退の憂き目に遭うことに…。さらに安藤の最大の弱点は、極度の寂しがり屋だということ。頼れるのは自分と自分が選んだ道具だけという状況のなかで、ハイカーとして成長していく彼の旅路をどうぞ見守ってください。
- はじめに
- 無念の敗退
- リベンジに備えて準備万端に
- DAY1 10/22:JR柘植駅〜山女原(あけびはら)(26.9km 1,408m↑/1,308m↓)
- DAY2 10/23:山女原〜雲母橋登山口(23.9km 828m↑/853m↓)
- DAY3 10/24:雲母橋登山口〜八風キャンプ場(28.6km 1,551m↑/1,530m↓)
- DAY4 10/25:八風キャンプ場〜藤原岳登山口休憩小屋(27.3km 739m↑/927m↓)
- DAY5 10/26:藤原岳登山口休憩小屋〜津屋避難小屋(22.8km 1,224m↑/590m↓)
- DAY6 10/27:津屋避難小屋〜JR関ヶ原駅(29.2km 1,047m↑/1,718m↓)
- GEAR LIST
- YouTube
はじめに
2023年から山と道では「ULハイキング研修」という制度が誕生した。ハイキング経験が少ない自分にとってこれはチャンスであり、同時にピンチでもあった。経験値を上げるには最適な制度であることは間違いないが、不安が大きかった。ルート決めや自分自身の課題、さらには完歩できるかどうかといった心配事は尽きず、2024年はこの制度に悩まされた1年であった。
まず自己紹介をすると、私、アンディこと安藤優作は2020年まで愛知県名古屋市で仕事をしながら、野球中心の生活を送っていた。週末は草野球の試合を3試合ほどこなし、平日は仕事終わりにトレーニングジムに通い身体を鍛えていた。そう、ホームランバッターを目指していたのだ。
ただ、ホームランが1本も打てなくて悩んでいる時に転機が訪れる。ひょんなことから関西を中心に銭湯の継業を専門的に行っている「ゆとなみ社」で働くことが決まったのだ。ご存じの方も多いと思うが、山と道京都から徒歩1分の「サウナの梅湯」はゆとなみ社の1号店である。京都に越してきて野球中心の生活から風呂を沸かすことが中心の生活となり、より気持ちよくお風呂に入るためにはじめたのがハイキングだった。ただ、ほぼ1日を費やす登山よりも手っ取り早く汗を流せるランニングやトレイルランニングにハマり楽しんでいた。
そんな私がなぜ山と道に? と疑問に思われるだろう。実は2023年4月にオープンした山と道京都のレセプションパーティにサウナの梅湯枠として招待されたのがきっかけとなり、代表の夏目に声を掛けていただき入社することになったのだ。後にその話をすると当時の私はギラギラしていたそうだ。
銭湯で働いていた頃の私。
本題に戻る。今回、私がULハイキング研修で歩いた「東海自然歩道」は、東は東京都八王子市高尾の「明治の森高尾国定公園」から、西は大阪府箕面市箕面の「明治の森箕面国定公園」まで、11都府県約90市町村にまたがる長さ1,697kmの長距離自然歩道である。名前を聞いたことがある人は多いかもしれないが、実際に歩いている人は少ない印象だ。私はこの道の一部であり、前職で勤務していた滋賀県石山の容輝湯(ゆとなみ社の3号店)から岐阜県関ヶ原セクションまでの約320kmを10日間で歩くという計画を立てた。実家がある愛知県を通るという点も、挑戦を決めた大きな理由のひとつである。
しかし、計画は立てたものの長い距離を歩く具体的なイメージは全く湧かなかった。ULハイカーとして軽量化を徹底し、ひとつの道具に2役以上の役目がないものはすべてギアリストから外していった。その結果、ベースウェイト*は3kgになった。天気予報もほとんど確認せず、3月の計画だったが寝袋の対応温度は快適温度5℃、限界温度0℃で、さらにブースト用のインナーシュラフやビビィも持たないという大胆な選択をした。当時は「軽いことが正義」だと考えていたのだ。こうして準備を終え、2024年の3月下旬に意気揚々とスタートを切ったのだが…。
*水・食料・燃料以外の装備を詰めたバックパックの総重量
UL Pad 15+は65cm × 45cmにカットして軽量化へ。
出発前に前職で働いていた容輝湯をバックに。初日は山と道京都でお世話になっている裕司くんとかりんさんがジョインしてくれた。私のスターナムストラップが斜めなのが非常に気になる。
無念の敗退
タイミング悪く大寒波の日を引き当てた山行は、晴れから吹雪まで体験することになった。気温は15℃からー2℃。行動中はDF Mesh Merino HoodyをベースレイヤーにActive Pulloverで温度調節したので、ちょうど良い体温を保てたが、Active Pullover以上の保温着を持っておらず、停滞時は、低体温症間近まで体温が下がった。
さらに食に関しては油分の多いスナック菓子をジップロックにたくさん詰め込んだ行動食をメインに、他の食料はカレーメシのみという高血圧まっしぐらの内容で、すぐに胃もたれと体調悪化を招いた。
ジッと座ってご飯を食べるのが寒すぎて、歩きながらカレーメシを食べる2人。
3日目の朝、私は奥余野森林公園のテント内で凍えながら、近くにあるJR柘植駅の始発を調べていた。震えは増すばかりで、どんどん体温が落ちてるのが分かる。私は葛藤していた。このまま歩き続けるべきか否か。悩んだ末に、一度京都に戻って装備を見直してから再出発しようという決断を下した。
ギリギリまで寝袋で震え、始発時間が近づくと凍ったテントをバックパックに詰めてJR柘植駅にゆっくり向かった。走れば体が暖まりそうだが、そんな気力もないくらいに弱っていた。暖房の効いた暖かい電車に乗っても震えは止まらなかった。京都の家に着くのがやっとで装備を見直す気力もなく、会社に報告した。
「辞退させてください」
基本的に天候が荒れているなかで綺麗な雪景色も見れた。
結果、初のULハイキング研修は、容輝湯から奥余野森林公園までの約60km、日程にしてわずか2日間で終えたのだった。
今回計画をたてたルート。道半ばで無念の敗退となった。
はじめはこんなに元気だったのに…。
リベンジに備えて準備万端に
辞退を経験し、ロングハイクに挑戦するための課題が明確になった。リベンジは10月と決め、それまでの半年間、すべての山行をロングトレイルへと繋げる意識を持ち、さまざまな改善を図った。まずは敗退のいちばんの原因となったスリーピングシステムを見直すことにした。気温に応じた寝袋を選択し、スリーピングマットの長さとR値を変更。これにより、テント泊でも快適な睡眠環境を整えることができた。
次に行動食の見直しを行った。油分の多いスナック菓子を控え、高カロリーでサクッと食べやすいグラノーラを中心にすることで、効率的にエネルギーを補給できるよう工夫した。さらに、日々変化する天気予報を欠かさずチェックし、十分な事前準備を整えることを心がけた。ロングトレイルを歩き切るためにはペース配分も重要だと考え、体力の負担を軽減するために普段の山行では意識的にペースを落とす工夫も取り入れた。
特に課題なのは、複数人でワイワイするのが好きなために、ひとりで歩くことに不安を感じて精神的に参ってしまい、食事が喉を通らなかったり、眠れなくなったりすることだ。今回はそんな課題を克服し、精神的にも充実した山行を目指すと決意して挑んだ。いよいよリベンジ編の開幕だ。
DAY1 10/22:JR柘植駅〜山女原(あけびはら)(26.9km 1,408m↑/1,308m↓)
敗退して約半年。嫌な記憶がまだ鮮明に残っていた。思い出しただけで嗚咽しそうだ。前回撤退を決意したJR柘植駅で降りるのが怖かった。事前準備はしっかりしてきた。装備も恐らく完璧。あとは最大の課題である寂しがり屋な自分とどう向き合うか。そこに完歩の鍵が握られている。
リベンジは前回敗退した奥余野森林公園を抜けたところからスタート。いざ出発!
3月の山行のバトンを繋ぐように、2回目の挑戦で完歩を目指す。
初日の日中は天気が良く、夜から明日の昼頃まで雨の予報。夜は厄介なことに、1時間に7mm〜10mmの雨の予報だった。当初はテント泊を予定してたが、東屋か屋根のある場所まで歩こうと決めた。いきなり予定通りとはいかず不安に。そもそも東屋があるのだろうか…
序盤は沢と並行して道が繋がっていた。思った以上に道は荒れてない印象だが、木道や木の階段は沢が近いのか朽ちていた。楽しみにしていた加太不動滝は木の橋が朽ちてて先には進めなかったが、沢から離れれば歩きやすいし、皆さんにオススメしたいくらい気持ちよかった。
1日目の景観地である加太不動滝に続く橋が朽ちていて断念。先が思いやられる。
トレイル途中にゴミ箱発見。何も捨てられてないため、長いこと誰も歩いてないのだろう。
もともと20km歩く予定だったが、屋根のある場所を求めて26km歩いたところで東屋を発見して、お世話になることにした。数時間後、大雨が降ってきて難を逃れた。
前回の反省点だったスリーピングシステムは、万が一に備えてUL Pad 15(100cm)と、快適温度4℃、限界温度ー1℃のモンベルのシームレス ダウンハガー800 #3を使用。山行期間中の夜の気温は10℃〜15℃と比較的暖かい予報だったので、ジップを全開に開けて寝ることもあった。
今回使用したスリーピングシステム。
真夏にハマったコールドソーク(火を使わず常温の水を使って調理する食事)をメインに準備した。しかし気温は10℃前後。真夏に食べたおいしさを一切感じることができず、2口食べて箸を止めた。
食事のメインに乾麺をコールドソークで食べる予定だったが、まずすぎて初日以降はお荷物に。
DAY2 10/23:山女原〜雲母橋登山口(23.9km 828m↑/853m↓)
身体は疲れてるはずなのに、まだまだ続く旅への不安とご飯が食べれない現実に直面し、眠れなかった。スリーピングシステムの体感温度に問題なかったので、精神的な弱さが初日から出てしまったみたいだ。誰かと喋りたいが、初日は誰ひとりとして歩いている人がいなかったから、2日目に期待しよう。
天気予報は昼頃まで雨。速乾性を重視してベースレイヤーはActive Pulloverに決めた。2日目は集落歩きが中心で、日本最古の神社「椿大神社」を通る。人に出会えるのは確実だ。ワクワクしていたところ、チクッと足に痛みが走った。足元を見てみると無数のヒルがへばり付いていた。それからヒルとの闘いも始まってしまった。ヒル対策をしてなかった私は地道にヒルをデコピンで追い払った。
このあともヒルには悩まされた。
2日目は生活の営みが感じられる風景に多数出会った。田園と茶畑が広がり害獣の箱罠が至る所にあった。写真は坂田棚田。
椿大神社は雨にも関わらず、たくさんの人で賑わっていた。人工物を見ると安心するが、人を見るともっと安心した。椿大神社の近くには「参道」という純喫茶があり、喫茶店好きとしては入店しない理由がない。寂しさと不安からろくに食事が摂れなかったので、喫茶メシなら喉を通るだろうと期待したが、予想に反して食事を半分残した。想像以上にメンタルがやられている。
この日、発した言葉は「カツカレーとホットコーヒー。ホットコーヒーは食後にお願いします」「ごちそうさまでした」以上。
椿大神社前には大好きな喫茶店が。人の温もりを求めて入店。
おいしそうなカツカレーだが、半分も食べられなかった
二千年の歴史をもつ日本最古の神社、椿大神社(つばきおおかみやしろ)。「過去を破って進みましょう」の文字が非常に刺さる。
喫茶店を出た頃には空は晴れており、わずかでもカロリーが摂れたからか少し元気になった。前日にたくさん歩いたおかげで早めの時間にテント場に到着し、今日の夜からナイトハイクをスタートすることに決めた。
テントはシックスムーンデザインズのデュシュッツプラスタープ
しかし、普段明るいうちに寝ることはないし、翌日歩くルートは道が荒れていてロストしやすいという情報をキャッチしていた不安から、なかなか寝付けなかった。GPSや地図を確認しても「この広い山の中で、自分だけが取り残されたらどうしよう」という孤独感に襲われそうで「誰かがそばにいてくれたら」と思い続けた時間だった。もちろん、充分な睡眠はとれなかった。
DAY3 10/24:雲母橋登山口〜八風キャンプ場(28.6km 1,551m↑/1,530m↓)
22:00に湯森林道からナイトハイクを開始。日中は吹かなかった冷たい風が恐怖心を掻き立てる。普段から基本的にソロでナイトハイクすることを避けてきた。理由は至ってシンプル。怖いから。ただ、人間は面白いもので時間が経つと慣れてくるし、恐怖心を煽っていた冷たい風も、火照った身体に心地良く感じていた。湯森林道が終わって急坂の山道に入ると道がわかりにくくなっていて、湯の山温泉街までに数回ロストして疲労困憊。
道中に見えた四日市の夜景が非常に綺麗だった。
湯の山温泉付近には綺麗な東屋がたくさんあった。
疲れていたが、せっかくなら菰野富士で御来光を見ようと湯の山温泉街からさらに歩みを進め、山頂でカウボーイスタイルで仮眠をした。思った以上に疲れもとれたし、御来光も見れて、ナイトハイクの醍醐味を味わえた。
御来光が目覚まし代わりになった。
菰野富士を超えて風越峠を歩く。ここのセクションがいちばん山道が荒れていてルートもわかりにくかったが、何故だかハラハラドキドキしたのを覚えてる。ナイトハイクの経験が自分を強くしてくれたのかもしれない。峠を超えると三重県民の森があり、結露で重くなったテントたちをドライアウトした。
風越峠の荒れた山道。
三重県民の森でドライアウト。
この旅で唯一予約していた八風キャンプ場で素敵な出会いがあった。バックパックひとつでキャンプ場に来ていた私が珍しかったようで、愛知県から来られたご夫婦に声をかけていただき、ご飯とビールをご馳走になるという嬉しいひとときを過ごした。
ご馳走になった食事。お互い愛知県出身ということもあり仲良くなるのに時間が掛からなかった。ビールも6本ご馳走になりグデングデンになった。
DAY4 10/25:八風キャンプ場〜藤原岳登山口休憩小屋(27.3km 739m↑/927m↓)
4日目は、鈴鹿山脈を横目に歩みを進めた。この日はほとんどがロード区間だったため、思った以上に早い時間帯に竜ヶ岳の麓にある宇賀渓に朝の9:00頃に到着。竜ヶ岳に登る方々の姿が多く見受けられるなかで、竜ヶ岳に登って藤原岳を経由して目的地の藤原岳登山口休憩小屋に行く行程も考えてみた。しかし、色々調べるうちに携帯のバッテリーはおろか、モバイルバッテリーも消費し、残り3日の旅のことを考えると予定通りに進むのがベターだなと考えた。
八風キャンプ場で食べたプチトマトのおいしさが頭をよぎったため、少し遠回りをしてスーパーマーケットに立ち寄り、食料を買い足して藤原登山口休憩小屋に向かった。食の楽しみが加わることで精神的な疲れが自然と癒され、4日目にして心も身体も元気を取り戻すことができた。
竜ヶ岳の麓の宇賀渓に入ると鈴鹿山脈が常に見えるようになった。行程的には2日巻いてるし登ってみようかなと葛藤していたが、スマホのバッテリー残量の兼ね合いで断念。またの機会に。
DAY5 10/26:藤原岳登山口休憩小屋〜津屋避難小屋(22.8km 1,224m↑/590m↓)
フレッシュな野菜を摂り、屋根の下で寝れたことでかなり疲れがとれた。道中も周りを見る余裕が生まれ、お立ち台を発見。普段、お立ち台に立つことがないのでついつい登って写真を撮った。貴重な体験(?)をして意気揚々と歩みを進めていたら、藤原ゴルフクラブの横に猿の大群がいた。動物園にいる猿を優に超える数で引き返そうか迷ったが、ゴルフ場をグルッと大回りしないといけなかったため、諦めて突き進んだ。
釣り堀に立派なお立ち台が。藤原岳を目指す登山者を横目になりふり構わず写真をパシャリ。
5泊6日のシーンで一、二を争うくらいに冷や汗かいた猿の大群との遭遇。目線が合わないように歩むが嫌でも目が合ってしまう恐怖。ちなみにもうひとつの冷や汗シーンは、蜂の巣から大量の蜂が出てきて逃げ回った時。
三重県と岐阜県の県境・川原越で唯一の急登400mを登る前に、100% Merino Hoodyから汗処理が素早いActive Pulloverをベースレイヤーに着替えた。これが見事にハマりヒートアップせず、また汗冷えも少々で登り切れたが、One Tuck 5-Pocket Pantsはバックパックの背面からの汗でべちょべちょに濡れていた。しかし、ハリのあるタスランナイロンの生地が身体に張り付くことはなく、生地と肌の間に空気の対流が生まれるため、涼しくも感じた。
川原越で初めてクマ注意の看板が。熊鈴を持ってきてなかったので音楽を爆音で流しながら進んだ。
DAY6 10/27:津屋避難小屋〜JR関ヶ原駅(29.2km 1,047m↑/1,718m↓)
長いようで短かった旅も、いよいよ最終日を迎えた。この日は養老山系を歩きながら、JR関ヶ原駅を目指す。養老の滝からは愛知県に住んでいる山と道京都常連のお客様が合流してくれた。この方とはサウナ仲間でゆっくり話す機会はあったものの、一緒に山を歩くのは初めて。最終日にもかかわらず、今回の旅で最長距離を歩いたが、楽しくてあっという間に時間が過ぎた。
養老の滝。観光地で賑わっていた。
途中、龍泉寺跡付近でスズメバチの大群に遭遇し、全力でダッシュするというハプニングに襲われたが、エスケープルートで無事に切り抜けることができた。刺されずに済んで本当に良かった。
三重県での東海自然歩道の看板はシンプルなものが多かったけれど、酒が湧き出た伝説のある岐阜県の養老町に入ると瓢箪の形をした看板が目に入った。
環境省が管理しているトイレなのか、岐阜セクションのトイレには全て「東海自然歩道 〇〇トイレ」と看板があった。最終日は山と道京都によくビールを飲みにきてくれる毎田さんがジョインしてくれた。
無事、ゴールの関ヶ原に到着。張り詰めていた気持ちが一気に緩んだ瞬間だった。今回、初めてのロングハイクということもあり、緩めの距離設定にしていたので体力的には問題なかったが、道が荒れている情報や、動物や蜂の予期せぬ登場にビクビクしたり、人に会えない寂しさによる精神的疲労感が大きかった。
計画では7泊8日を計画していたが、歩き足りなさを感じて1日の行動距離を伸ばしたり、初日から2日目にかけての大雨の影響で行動時間を長くしたりすることで、5泊6日で歩き切る形となった。反省点としては、天候やルート、幕営地などの不安要素を常にスマホで調べながら行動したため、余裕を持っておいたモバイルバッテリー30,000mAhでは足りなかったことだ(携帯のバッテリーの劣化も原因)。
だけど本当に歩き切れてよかったし、今後のロングハイクの指標となるハイクとなった。東海道自然歩道は、私のようなロングトレイル初心者にこそ、力試しにはちょうどよかったのかもしれない。さぁ、ULハイカーとしての旅はまだまだ始まったばかり。寂しさはこれからも付き纏いそうです。完
ゴールの関ヶ原駅に着いて安堵の表情。体力的な疲労はあまり無く精神的疲労が大きかった。
実家に帰り、かわいい甥っ子に会えました。
GEAR LIST
BASE WEIGHT* : 3.84kg
*水・食料・燃料以外の装備を詰めたバックパックの総重量
YouTube
安藤とスタッフJKが旅の模様をYouTubeでも振り返りました。