はじめに
みなさんこんにちは、samplusのヘクターです。
山と道の台湾での撮影の相談を受けて、様々なルートを検討した結果、 3泊4日で台東の戒茂斯から嘉明湖(Chiaming Lake)まで登るルートで撮影することに決まりました。
実は、今回のメンバーは僕も含めて誰もハイキングと製品撮影を同時にしたことがなかったので、「みんなで気楽にのんびりと旅行気分で撮影しよう!」ということになりました(でも僕は内心ドキドキしていました…)。
戒茂斯から嘉明湖へのルート 標高1913m – 3354m
嘉明湖は「天使の涙」とも呼ばれる綺麗な湖で、向陽登山口から登って、湖から折り返してまた向陽へ戻るルートが一般的です。今回の撮影で行った戒茂斯登山口から登って向陽へ降りるルートは比較的人の少ないルートですが、生態系や景観がとても豊かで、様々な景色の変化を楽しむことができておすすめです。ただ、このルートは最近台湾でも急に人気が出てきたので、嘉明湖付近の山小屋は今後益々予約が難しくなってしまうかもしれません。
今回の撮影のガイドは山と道HLC台湾アンバサダーの林政翰さんにお願いしました。米亞桑アウトドアセンターや嘉明湖向陽山屋の責任者でもある林さんは経験豊富で温和なハイカーで、台湾でのULハイキングをもっと発展させるために、今年は林さんたちと楽しいアクティビティをたくさん企画しています。新型コロナウィルスが終息したら、ゆっくりと始めたいと思っています。
台湾へようこそ!
Hector Home (samplus / COW RECORDS)
登場人物
美容師。暇を潰すのが得意。重度のカフェイン中毒。小さくて白い犬が、いつでも彼の側にいる。楽しみを見つけることは、生きることの本質だと思っている。
普段は台北で美容師として働いているが、コンクリートの街で過ごしすぎると落ち着かなくなるので、休みの日はいつも山や海に出かけている。
愛犬のママでベーシスト。Pavementを聴くのと、山へ行って新しい発見を与えてもらうことが、子供の頃から大好き。
深海魚。酸欠の山の上で息を吸ったり吐いたり。絵を描くことが日常。未完成が得意。
Hecter Home:登山口で昼食をとり、出発しようとしたところで雨が降り出した。
Carter:これは自然のトイレットペーパーで、よく揉んで乾かせばトイレットペーパーとして使えると林さんが教えてくれました。
Chi:人の一生と同じように、青々とした葉っぱも年を重ねるごとに黄色くなっていきます。黄色い模様は様々な経験をしてきた証ですが、ほとんどの人は皺しか見ていません。
Chi:この木の表面には分厚いワックスが付いていて、猟師たちはほんの少し取って火種にします。ほのかに香りがあり、触った手で衣服に触れるとなかなか落ちません!
Hecter Home:座ってみんなで料理をシェアしながら、Chiは林さんに自然やハイキングについて質問しています。
Hecter Home:この日の夜は、「新武呂溪」の横でキャンプ。気温は13℃くらいだったので、Merino Hoodyがちょうどよく、みんなでウイスキーを飲みながら明日のルートや撮影の詳細について相談しました。
Carter:撮影の2日前に結婚したばかりだったので、山の上から妻に電話してみようと思いました。道々の景色や生態系の変化がすごくきれいで、次は妻と一緒に来たいと思い、写真を撮って記録していました。
Carter:この岩壁を見た林さんが登れそうだと言いだして、難しくなさそうだしやってみようと登ってみたけど…全然簡単じゃなかったよ!
最後に引っ張り上げてくれた林さんに感謝‼︎
Morgan:ついに太陽が顔を出した!
Sky:たぶんタトゥーについて話していた時。Chiはすごく面白くて、一緒にハイキングできて良かった!
Morgan:疲れたら地面に寝転がるのが一番!以前一度だけ嘉明湖に登ったことがあったけれど、今回の旅はより楽しかった。モデルという役割があったけど、面白さが減ることはなかったよ。
Hecter Home:嘉明湖(布農語ではCidanumas-Buan)は標高3310メートル。台湾で2番目に高い場所にある湖。布農族は嘉明湖を「月の鏡」と呼び、ハイカー達は「天使の涙」と呼んでいます。
Hecter Home:山、そこからの景色は本当に綺麗です。登ってみた景色も感動的ですが、こうやって見ているだけでもすごくいいですよね。
Hecter Home:標高約3130mの「妹池」でキャンプ。夜は満天の星空。明日はきっと最高の天気になりそうです。
Chi:敏佳、こんなに良い写真を撮ってくれてありがとう! 人生がUP DATEされた!
Photographer
1973年台北生まれ、主に雑誌や広告の撮影を手がけるカメラマン。自身の写真集『屋頂上(屋根の上)』を出版。宜蘭の著名な建築集団、田中央建築事務所の作品集の撮影にも参加。近年台湾の北海岸の山地に移り住み、仕事で都市部に出向くこともあるものの、ほとんどの時間を台湾各地の山々で過ごしている。
Coordinators
山と道HLC台湾アンバサダー/『米亜桑アウトドアセンター』代表。カナダの『ヤムナスカ・マウンテンスキル・セメスター』で欧米の登山技術を学び、帰国後『米亜桑アウトドアセンター』を創立。ハイキングや雪山登山等の講習を行う一方、山小屋等の管理も行っている。20年以上、台湾原住民の布農族からより自然に近い生活を学び続けており、パーマカルチャーや里山生活についての造詣も深い。
Patagonia TAIWANでの10年間の勤務を経て独立。台北のセレクトショップ『COW RECORDS』を通じて山と道をはじめとした日本のインディペンデント・メーカーの製品を台湾に紹介している。2018年4月に山と道、実弟・洪 寶弟の『RAYING STUDIO』と共にアウトドアショップ『samplus』をオープン。
おわりに
コロナ禍のなか、山と道の新しい製品をどうやって撮影して、お客様に僕たちのイメージを伝えるか…。3月にまったく違うプランで行うはずだった撮影はコロナ禍の拡大と共に見直しと延期を繰り返し、4月にはSTAY HOMEになってしまった。
でも、この製品を送り届けるときにはみんなが山に行ける状態であって欲しい。そのとき、また久しぶりに山に行きたいと思うようなイメージを僕たちからみなさんに送り届けたいと思いました。
そこで、台湾で一緒にsamplusを運営しているヘクターさんに相談して、今回の撮影の全てを日本より一足早くコロナ禍が終息に向かっていた台湾で行ってもらうことにしました。モデルやフォトグラファー、コーディネーターとして参加してくれた方々は、みんなこれまで台湾で一緒に山に登ったり、お酒を飲んだり、いつか台湾で撮影するならぜひ登場してほしいと思っていた人たちばかりです。
すこしづつ山にも足を向けれるようになってきた今、遠くの山を歩いていることを想像したい。
山と道 夏目彰