ハイキングカルチャーを育むコミュニティー作りを各地域で行っている「山と道HLC」の活動を、各地域のアンバサダーや参加者の皆さんのインスタグラム投稿を通じて振り返ります。
山と道HLCの5月は、全国すべてのエリアでプログラムを開催しました。
HLC北関東、HLC北海道での『山と道のULハイキング入門』をはじめ、HLC台灣、HLC関西、HLC東北、HLC鎌倉、HLC四国では、それぞれのローカルエリアで1泊2日の『ULハイキングワークショップ』を実施しました。新緑あふれる山々で、この夏のULハイキングへの準備とアイデアを得ることができたのではないでしょうか。
加えて、HLC北海道ではGUEST SEMINAR『ヒグマについて考える一日』を開催しました。ニセコの山でもヒグマと出会ったという報告が増えている状況の中で、リアリティのある話題として学ぶことがたくさんありました。
山と道HLCは、各エリアのアンバサダーと協力してULハイキングを盛り上げていくカルチャーとコミュニティづくりを行っています。皆さんのご参加をお待ちしています。
山と道HLCプロジェクトディレクター 豊嶋秀樹
スマートフォンでは各投稿のキャプションが一部表示されないことがありますが、リロードを繰り返すことで正常に表示されます。また、各画像をタップすることでインスタグラムの投稿に直接アクセスできます。
HLC北関東
山と道の
ULハイキング入門
【LECTURE】
HLC北関東では5月14日に、山と道HLCプレイスLUNETTES+山の道具屋でULハイキング初心者向けの座学プログラム『山と道のULハイキング入門』を開催しました。
山と道HLC北関東アンバサダー廻谷が講師となって、ULハイキングの魅力や装備の軽量化の方法をレクチャーし、参加者の皆さんにはハイキング装備のギアリスト作成や、様々なディスカッションを通して学びを深めてもらいました。
今年度2回目となる『山と道のULハイキング入門』。このプログラムではULハイキングの軽量化のステップを学ぶのですが、特にギアリストを作ることの重要性を伝えるようにしています。なぜひとつひとつの道具を量るのか、カタログで重さを見るだけではダメなのかなどを参加者の皆さんに伝えられたかと思います。
また、参加者の皆さんのギアリストを見ながら、山に持っていく物と持っていかない物の判断基準を聞いたり、安全対策についてディスカッションしたりしました。
参加者のひとりから「テント場での時間の使い方」の質問があり、他の参加者の皆さんからもアイデアやそれに伴う装備の話が生まれたのは、面白かったです。(山と道HLC北関東アンバサダー 廻谷朋行)
山と道HLC北関東アンバサダー廻谷朋行の投稿
ULハイキングでは必須となる軽量化という点において、独自のこだわりをみせる山と道HLCアンバサダー廻谷のギアのチョイスは、軽量化を合理性と安全性とのバランスの上で成立させることの大切さを教えてくれますね。(山と道HLCプロジェクトディレクター豊嶋)
HLC北海道
山と道の
ULハイキング入門
【LECTURE】
5月21日にはHLC北海道でも、山と道HLCプレイスCamp&Goで同プログラムを開催。
山と道HLC北海道アンバサダー峠ヶの進行のもと、北海道の様々なエリアから集まった意欲的な参加者の皆さんにULハイキングの方法論を伝えました。
北海道ではグリーンシーズンの始まりともあって、夏山に向けたモチベーションが高まる時期に『山と道のULハイキング入門』を開催しました。
ULハイキングをすでに実践している方もこれから始めたいという方も、自身の道具を見直すだけでなく、参加者の皆さん同士で道具を紹介しあったり、山の情報を共有しあったりと、これからのシーズンの楽しみが広がるプログラムとなりました。(山と道HLC北海道アンバサダー 峠ヶ孝高)
山と道HLC北海道アンバサダー峠ヶ孝高の投稿
参加者@omaraya56さんの投稿
本州と比べてひと月もふた月も遅れてやってくる北海道の春。5月になると雪が溶け冬のアクティビティが終わり、ハイキングを楽しむ人が増えてくるようです。久しぶりに土のトレイルの上を歩くのはなんだかウキウキしますよね!(スタッフ木村)
HLC北海道
ヒグマについて
考える一日
【GUEST SEMINAR】
HLC北海道では、『山と道のULハイキング入門』の翌日の5月22日も、ヒグマの生態や関わり方について学ぶゲストセミナー『ヒグマについて考える一日』を行いました。
ゲストには、長年ヒグマに関わる活動や研究に従事してきた吉澤茉耶さんをお招きし、昨年ヒグマの目撃情報があったニセコ周辺のフィールドを歩きながら、ヒグマの行動パターンや遭遇時の対処方法を学びました。その後、山と道HLCプレイスCamp&Goに戻り、ヒグマが身近にいる暮らしについて参加者の皆さんとディスカッションを行い、理解を深めていきました。
ニセコ在住の方が多かった今回の参加者の皆さんにとって、ハイキングや暮らしを見つめ直すきっかけとなったようです。
つい先日もニセコの山でヒグマが目撃され話題となりましたが、北海道の山では必ずヒグマのことを考えながら行動します。今回のプログラムではヒグマに関するあらゆる疑問を参加者の皆さんと出し合い、ヒグマについて広く深く知る機会となりました。
そして、ヒグマについて考えるということは結局は自分たちの荷物や行動、日々の暮らしを考えるということに繋がっていくと思います。(山と道HLC北海道アンバサダー 峠ヶ孝高)
山と道HLC北海道アンバサダー峠ヶ孝高の投稿
山岳地帯や森林は、もともとヒグマなど野生動物の生息地。ヒグマ遭遇時の対策を知っておくことは、北海道のハイカーにとってのマナーと言えるかもしれません。私も北海道の山を訪れる際はヒグマを適切に恐れながら、なおかつ敬意を払いながら楽しみたいと思います。(スタッフ吉野)
HLC台灣
花蓮瓦拉米
1泊2日ULハイキング
ワークショップ
【WORKSHOP】
2022年度より本格始動したHLC台灣では、5月21日と22日の2日間、ULハイキングを実践の中で学ぶ1泊2日のWORKSHOPを台湾東部に位置する花蓮(ファーレン)のトレイルで開催しました。
4月に実施した『山と道のULハイキング入門』の参加者が、より実践の場でULハイキングを経験するために集まった今回。山と道HLC台灣アンバサダーの林(りん)から、負担のかからない歩き方やレイヤリング、パッキングなどULハイキングの基本を学ぶワークショップを行いながら山を歩き、参加者の皆さんは具体的にULハイキングを理解していきました。
この5月はHLC関西、HLC東北、HLC鎌倉、HLC四国でもWORKSHOPを開催。実際のフィールドでのプログラムということもあり、一段と盛り上がりを見せた各エリアの模様もこのあと一気にご紹介します。
今回は実際に山を歩きながらULハイキングに関する様々なワークショップを行い、熱心な参加者の皆さんとともに順調に経験を積んでいくことができました。
ひとつ心残りだったのは雨の予報にも関わらず、ほとんど雨が降らなかったことです。私自身ハイキングを始めた頃は雨が嫌いで避けていたのですが、今ではそれを受け入れて楽しんでいます。悪天候は辛いですが発想を変えることで、装備を工夫することや微妙な天候の変化を察知することなど、たくさんの学びや教訓を得るチャンスです。今回の参加者の皆さんには、ぜひ雨でもハイキングに出かけてもらいたいですね!
夜のテント場ではソーセージをつまみながら極上のウィスキーを飲み、参加者の皆さんと話をする時間はとても充実していました。参加者の皆さん同士の絆も深まりましたね!(山と道HLC台灣アンバサダー 林政翰)
山と道HLC台灣アンバサダー林政翰の投稿
まずは、HLC台灣で初となるフィールドプログラムが無事に終わりほっとしました。そして、プログラム後にインスタに投稿された台湾の山の雰囲気にうっとり。日本とは違う植生の台湾のトレイルを、状況が許せば今年歩きに行きたいですね!(スタッフ木村)
HLC関西
比良山
1泊2日ULハイキング
ワークショップ
【WORKSHOP】
HLC関西お馴染みの比良山で今回のWORKSHOPも開催。小雨からの出発となりましたが、天気はどんどん回復しテント場につく頃には快晴に。お日様に飢えていたので少しお昼寝タイムを設けたり、夜は満月の中ナイトハイキングを楽しんだり、贅沢な時間を楽しみました。他にもエマージェンシーの中身のシェアが率先的に行われたり、それぞれの危険への備えの捉え方や考察などが聞けたりと、僕自身も非常に勉強になりました。
また、ついひと月前の『山と道のULハイキング入門』に参加くださった方の道具の取捨選択の考え方がガラッと変わり、そのパッキングの重量の違いに驚かされました。ULハイキングのコツを掴みかけたタイミングで、実際にフィールドでギアテストを行い軽さを体感できるのは軽量化の近道になりますね。(山と道HLC関西アンバサダー 中川裕司)
山と道HLC関西アンバサダー中川裕司の投稿
参加者@nabetakashi0226さんの投稿
琵琶湖の西側にそびえる比良山系。ここまで大きな湖の向こう側に街並みと山々が広がる景色は、関東ではまず見られません。あらためて、関西の山は奥深いです。(スタッフ吉野)
HLC東北
みちのく潮風トレイル
1泊2日ULハイキング
ワークショップ
【WORKSHOP】
2022年度初のフィールドプログラムは、みちのく潮風トレイルの箱崎半島をぐるっと巡る2日間のハイキング。初日は歩き応えのある距離でしたが、途中、参加者の皆さんの行動食の紹介を行いながら「疲れた身体にどんな食が合うか?」というテーマで、リアルな体験から話を深めました。
テント場に着いてからはテントに関するワークショップを開催。強風時やペグダウンしにくい地面など困難な状況での対策を実際に学びました。しっかり歩いて学んだ2日間、参加者の皆さんありがとうございました!(山と道HLC東北アンバサダー 上野裕樹)
山と道HLC東北アンバサダー上野裕樹の投稿
参加者@nabeharumbaさんの投稿
参加者@nekotoyamaさんの投稿
東北においてテント泊でのハイキングを楽しめる貴重なトレイルで実践的なULハイキングの方法を学ぶ機会になりました。参加人数が多く楽しげな雰囲気もHLC東北のカラーです。今回のプログラムでもさらにコミュニティーの輪が広がりました。(山と道HLCプロジェクトディレクター豊嶋)
HLC鎌倉
丹沢山地
1泊2日ULハイキング
ワークショップ
【WORKSHOP】
2年連続となる表丹沢でのULハイキングワークショップ。主稜線や林道、痩せ尾根、急登、崩壊地とバラエティ豊かなトレイルが魅力で今回もこのトレイルを選びました。最初から最後までトラブル続きでしたが、トラブルを楽しむ姿勢たっぷりの参加者の皆さんばかりで終始よい相乗効果で学び合うことができたと思います。
プログラム翌週に早速山と道 材木座に遊びに来てくれた方もいたりと、参加者の皆さんとは今後もお付き合いが続いていきそうで、今後も楽しみです!(山と道スタッフ 木村弘樹)
山と道スタッフ木村弘樹の投稿
今回の表丹沢のWORKSHOPには僕も運営として参加しました。豪雨の中スタートしすぐに快晴のハイキングとなりましたが、参加者の皆さんの様々な雨対策は興味深かったです。休憩をあまり取らずに長い距離を歩いたり、ヒルと格闘したりとチャレンジングな2日間でしたが、歩き終えた後の参加者の皆さんの表情から達成感や満足感が伝わってきました。また丹沢の山々を歩きたいですね!(スタッフ前原)
HLC四国
三嶺
1泊2日ULハイキング
ワークショップ
【WORKSHOP】
お天気サイコーな2日間のWORKSHOPで、参加者の皆さんにはより快適で安全なULハイキングを楽しむための方法を学んでいただきました! スリーピングシステムやクッキングシステムを紹介し合い、細かな特徴や工夫点まで共有できました。また、実際に軽量装備で歩くことでULのメリットを体感できたのではないかと思います。
今回は四国外からの参加者も多く、絶景が続く剣山系の縦走路や奥祖谷の美しい渓谷まで、四国を堪能してもらえたと思います。あらためて、皆さんおつかれさまでしたー!(山と道HLC四国アンバサダー 菅野哲)
山と道HLC四国アンバサダー菅野哲の投稿
参加者@riverle66さんの投稿
参加したスタッフ下山の投稿
僕も参加した今回のWORKSHOP。心配していた天気にも恵まれ、新緑と美しい稜線に囲まれた気持ちの良いハイキングとなりました。参加者同士で道具紹介をしたり、経験豊富なアンバサダーからノウハウを学んだりと濃厚な2日間となりました。いつかまた剣山系を繋いで歩きたいなー!(スタッフ下山)
プログラムに参加していただいた皆さん、素敵な投稿をしていただいた皆さん、本当にありがとうございました。
2022年度の山と道HLCのプログラムはスタートしたばかり。プログラムに参加してみたい方、山と道HLCの活動に興味を持たれた方は、ぜひCOMMUNITYページをご覧ください。